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| 銅蒸気レーザ光源を使った高速度写真サンプル(Oxford Lasers Ltd社提供) 高速噴流体に蛍光トレーサを入れレーザライトシート手法により、7000Hzで 10パルスの多重露光。 粒子が流れて見えるところが速度が速い。 撮影:Prof. Katz - Johns Hopkins University |
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レーザの発明とともに光の膜(ライトシート)を作る光源として注目され、良好な結果が得られた。レーザは、光エネルギー密度が高く、ビーム状で放射されるのでシート光を作るのに非常に都合が良く、ライトシート用の光源として最適であった。 - 1. カメラの感度が低い。(高速で取り込むカメラは、一般的に感度が上げられない傾向がある。)
- 2. 使用するカメラレンズ及びカメラ光学系が暗い。
- 3. レーザシートを拡げた場合(視野を広くとる場合)、シート光の強度が低くなる。
- 4. レーザの出力が小さい。(数十mW程度では暗い。)
- 5. トレーサが小さすぎたり、反射特性が悪い場合、シート光の散乱光を効率よくカメラに反射できない。
- 1970年代から1980年代にかけて普及した赤色(632.8nm)の連続光源ガスレーザ。出力が3mW〜100mWと低いため、レーザライトシートとしての活躍はなかった。単色性が強く(線巾が狭く)コヒーレントが強かったのでホコリなどでたやすく干渉縞が出て、得たい画質に影響を与えた。
- 1970年代から2000年にかけて普及した緑色(499nm、511nm)の連続光源ガスレーザ。出力が100mW〜16Wと強いため、レーザライトシートとして一躍脚光を浴び、ビデオカメラ(30コマ/秒録画)用光源として普及を見た。ただ、連続発振なので、高速度カメラと組み合わせて使うには光が弱く、高速度カメラにイメージインテンシファイア(I.I.)を付けないと撮影できない問題があった。
- パルスレーザ(銅蒸気レーザ、YAGレーザ)の台頭とともに、高速度カメラ用レーザライトシートの位置をそれらに譲るようになった。アルゴンイオンレーザは、電力を多く必要とし(三相200V、30A)、冷却水(2Kg/m2、15リットル/分)も必要としたため、特に夏場では使用制限を受けた。
1970年代から2000年にかけて普及したパルス発光の緑色(510nm、570nm)の金属蒸気レーザ。出力が10W〜30Wと強く(ピークエネルギーは1,000,000倍ほど高い)、20nsのパルスで10,000Hzの発光ができたため、高速度カメラを使用する際にはイメージインテンシファイア(I.I.)を装着しなくても十分な光量が得られた。ヨーロッパ、米国を中心に高速度カメラ用のパルス光源(レーザストロボ)として脚光を浴びた。レーザのビームクォリティも高く0.2mm程度の薄さにレーザシート光を作ることができた。干渉縞も出にくく光の質は上等であった。
- このレーザも、アルゴンイオンレーザ同様、パルスレーザ(YAGレーザ)の台頭とともに、高速度カメラ用レーザライトシートの位置をそれらに譲るようになった。銅蒸気レーザは、発振光率が良いので電源や冷却水に関してアルゴンレーザほど多くの電力と水を必要としなかったが、保守に多額の費用がかかった。保守部品として、金属銅、ネオンガス、オプティカルウィンドウ、サイラトロン、キャビティチューブ(発振管)の定期的な交換が必要であった。
- 上に述べたガス(金属)レーザと違って、発振媒体が光学結晶(ロッド)のレーザがYAGレーザである。ガスレーザよりもビームクォリティが悪かったにもかかわらず、扱いの良さから人気を得て発展し、1990年後半から2000年以降はレーザの中心的役割を果たすようになった固体レーザである。
- YAGロッドの基本発振波長は、1.064umと赤外にあり、可視化光源としては不向きである。この基本発振に非線形光学結晶を介在させて、基本発振の1/2、もしくは1/3の波長、即ち、532nmの緑、もしくは355nmの紫外光を得ている。YAGレーザ開発当初は、15Hz程度の発振しかできなかったが、高速でスイッチングできるAOM(Acoustic Optical Module、音響光学素子)の改良が進み、励起光源に高速でスイッチングできる半導体レーザが使われるようになって、高周波、高出力、可視光域のNd:YAGレーザが出現した。YAGレーザは、パルス発振も連続発振も可能である。
- YAGレーザ発展の理由として、このレーザの広い活用分野があったことは否定できない。活用分野の中で、特に高温加工(溶接)と医療分野(メス)ではマーケットが大きく、YAGレーザが大きく成長した。
- 高速度カメラの分野でも、高周波発振、高エネルギー密度(光量が大きい)という利点が活かされ徐々に活用範囲を拡げている。上に述べたガスレーザと違い保守にもそれほどの費用を必要とせず、電源も冷却も許容範囲で利用できる。特に冷却に関しては、装置内部に冷却装置(クルマの水冷のようなシステム)を持っていて使いやすいものになっている。
- YAGの欠点は、ビームクォリティが悪く(ビーム拡がり角 = beam divergenceが大きい)、薄くて高輝度のレーザシートを作ることが難しいことが挙げられる。また、レーザ出力のピークエネルギーが高いので被写体から反射した迷光がカメラの撮像素子に集光し、焼きキズを作りやすい。YAGレーザの場合、1発あたりのエネルギーが100mJの出力であっても、4nsと発光時間が短いため発光のピークエネルギーは、50MWにも達する。このエネルギーは、集光すれば分子を簡単に切り離す力を持っている。
- 紫外線発光を伴うガスレーザである。励起するガスが有毒で、発振波長も紫外線であるため、使用に際しては十分な注意が必要なレーザである。化学種の励起発光を伴う研究目的や、熱を伴わない微細加工ができるため樹脂の微細加工、IC製造上の光源として利用されている。流れの可視化でも、蛍光物質が紫外レーザ光を吸収して蛍光を発する( = LIF、Laser Induced Fluorescence)ことから注目されて利用されている。油(潤滑油)や燃料などの有機物には蛍光を発するものが多いため、燃料噴霧研究や潤滑研究にも利用されている。高周波発光はできず、10-30Hz程度のパルス発光であるため、高速度カメラ用の光源としては不向きである。パルスレーザであるため、ピークエネルギーが高く使用に際しては注意が必要である。運用コストも、電源、冷却水、サイラトロン、バッファガス(フッ素化合物)など高価である。
- 1990年代後半から脚光を浴びているレーザである。非常にコンパクトで電力などのユーティリティも簡単にすむので使い勝手が良い。しかし、赤外発光で出力の高いレーザは開発されているものの、可視光域では出力の高いレーザは市販されていない。従って、高速度カメラ用の光源としては、発振波長が850nm近辺の近赤外光源になるため、赤外に感度を持った白黒CCD(MOS)高速度カメラが使用される。パルス変調は50kHz程度まで可能である。
- 赤外域の半導体レーザをライトシートにする応用は2000年あたりから普及している。しかし、可視光域(赤→緑)での高出力半導体レーザは今のところ市販されていない。また、半導体レーザは、他のレーザに比べてビームクォリティが桁違いに悪く、薄くて明るいレーザライトシートを作ることは現時点では期待できない。
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