OSII 高速度カメラ  10G Base-T通信 及び Thunderbolt3経由ダイレクト録画 -
(OS II series) - 操作の実際  (2024.03.03更新)

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企画・制作: アンフィ(有)
機材協力: IDTジャパン(株) 
モーションイメージング部
〒135-0007  東京都江東区新大橋1-8-11
大樹生命新大橋ビル4F
電話: 03-6659-2681
http://www.idt-japan.co.jp/
      PDFダウンロード : 「簡単! IDT高速度カメラ撮影手順 _OSII20231221.pdf」

 


目  次
■ 概要  - 小型堅牢、10G Base-T及びThunderbolt3接続高速度カメラ
 
■ 小型高速度カメラの特徴
 
■ カメラの操作
 
■ OSII カメラ 概略仕様
 
■ カメラの接続手順
 
■ カメラの入/出力信号の説明
 
 
 
■ カメラ操作 - カメラを実際に操作する
 
● 操作コンピュータ
 
● 起動
 
● メインメニュー
 
● カメラを開く - カメラを認識する
 
● メイン操作画面
 
● ライブのタブ
 
●操作ソフトを使った撮影の流れ
・ 「カメラ」タブ
・ 「録画」タブ
・ 「画像」タブ
・ 撮影画像のダウンロード
・ 「ROI」の編集
・ メモリ管理
 
● プレイバック(画像の再生)
 
■ 画像を開く
 
■ 姉妹機 - MotionXtra Os8カメラ
 

 
■ 概要 - 小型堅牢、10G Base-T 高速転送、および Thunderbolt3 ストリーミング・PCダイレクト録画
 世界最小クラス高速度カメラ
 
2022年1月、OSカメラの後継機種としてOS IIシリーズカメラがIDTジャパン(株)から発売されました。
 
このカメラは、IDT社が手がけてきた手のひらサイズの小型高速度カメラシリーズの一環のもので、小型堅牢の設計思想を踏襲しています。
通信は、10G Base-Tの高速イーサネット(USB-C シングルポートハブ使用時)に対応し、且つ、Thundebolt3ポート(IDT社のThunderbolt3 Adapter使用時)を利用すれば、Windows10/11 x64bit PC内のメモリに録画画像を直接書き込む機能を持っています。
LAN経由での録画画像保存を行うモードでは10G Base-Tの通信ポートが使えるため、画像保存を短時間で行うことができます。
カメラから操作PCまでは100mまで延長することができます。LANのハブを使用することにより複数台(255台まで)のカメラを一度に管理操作することができます。
LAN通信対応のカメラは、撮影画像保存にカメラ内蔵メモリを使うため、録画後操作PCへ画像データをダウンロードする必要があります。
カメラ内蔵のメモリ(DDR)を使う理由は、画像を高速で読み込む必要があるため、従来のUSBやイーサネット通信経由では高速書き込みができないためです。
カメラ内には書き込み速度の速いDDR(メモリ)を搭載しています。
OSIIシリーズカメラをThunderbolt3ポート(40G bps)で使用する場合、カメラと操作PCは高速データ通信となるため、操作PC内のDRAMに直接録画することができます。
操作PCのSSD記憶装置にRAIDなどの高速書き込み性能があれば、SSDに長時間録画することができます。
(100コマ/秒で20分以上の撮影ができます。但し、撮影速度と録画時間は、WindowsPCの性能、及びSSDへの書き込み速度と容量、画素数に依存します。)
操作PCに高速で高速録画画像を転送させる必要上、PCにはThunderbolt3(サンダーボルト3)規格の通信ポートを装備していなくてはなりません。
 
右上写真が、OS IIカメラ本体です。手のひらに乗る大きさです。
カメラの大きさは、レンズ無しで巾72mm x 高71mm x 奥行85mm、重量は500gです。
カメラへの電気結線は、ロックスクリュータイプのUSB-Cケーブルで行います。
これをUSB-Cシングルハブ(IDT社製品)に接続します。
USB-Cシングルハブは10G Base-Tイーサネット経由で操作パソコンに接続します(LAN操作モード)。
USB-Cシングルハブに代えて、RT Thunderbolt3アダプター(IDT社製品)に接続してThunderbolt3ポートで操作PCと接続することもできます(Thunderboltモード)。
LANモードとThunderboltモードの違いは、カメラを長距離操作を行いかつ複数のカメラを扱えるのがLANモードであり、これに対し高速でPCに録画データを送ったり長時間録画を得意とするのがThunderboltモードです。
PCとの通信で、最も通信速度の速いのがThunderboltです。
カメラ本体の背面には、冷却ファンがついています。
 
OS IIカメラは、センサーの違いにより 4種類あります。
  * OSII - 1550(横1440画素 x 縦1024画素、4,850コマ/秒)
  * OSII - HD(横1920画素 x 縦1080画素、5,850コマ/秒)
  *OSII - 3530(横2560画素 x 縦1440画素、3,000コマ/秒)
  * OSII - 5K(横5120画素 x 縦2880画素、400コマ/秒)
 
それぞれに白黒とカラーの各素子があり、発注時に指定します
4種類のカメラの大きさは同じで、素子の画素数と最高撮影速度によって名前が変わります
OSIIシリーズでは、OSII - HDが最も高速で、1920画素 x 1080画素のフルフレームで5,850コマ/秒の撮影速度をもちます。
この最高撮影速度は画素数が最大の時で、設定画素数を減らせば最高撮影速度は上がります。
OSII - 5Kは、いわゆる5Kカメラで5120画素 x 2880画素を持ち最高撮影速度400コマ/秒です。
 
 
 
OSIIカメラの構成

■ 小型堅牢高速度カメラ(OSIIシリーズ)の特徴
 
 
その1. 設置スペース。
 
カメラが小さくなったことにより、撮影現場での設置スペースをとらなくなりました。
顕微鏡に取りつけて撮影したり、実験装置の中に組み込むことも(チャンバー内に組み込むことや自動車に搭載することも)可能になりました。
 
その2. 長時間録画可能。
 
撮影される画像は、カメラ側のDDRで24GB程度の画像を保存できます。
1920画素 x 1080画素、12ビット階調(36ビット階調カラー)で約23,000枚の撮影が可能です。
1000コマ/秒の撮影で約23秒の撮影ができます。
Streaming撮影(撮影を連続で長時間録画するモード)では、録画画像は直接操作PC内のDRAMもしくはSSD(HDD)に保存されます。
操作PCのDRAMの容量が多ければ長時間の録画ができます。また、SSDが高速対応でRAID 
 
その3. 録画画像の迅速な保存。
 
LANモードでは10G Base-Tに対応しているので、操作PCにそのポートが付いていれば10倍の通信速度が確保でき、操作PCへ録画画像ダウンロードが高速で行えます。
Streaming(ストリーミング)撮影の場合録画画像は操作PCのDRAM内に保存されるので、録画後の画像再生が迅速に行えます。
かつ、AVIファイルなどへの保存も迅速にできます。
カメラ内のメモリに保存する方式と比べて迅速な画像保存ができるので、保存のために費やされる実験の中断時間を最小限に抑えることができます。 
 
その4. レンズリモート操作
 
micro4/3(マイクロフォーサーズ)用レンズを標準でサポートしているため、操作パソコンからリモートでフォーカス、絞り設定、ズーム設定が行えます。
カメラに手が届かない場所は、逐次フォーカスやズーミングが必要な場合に便利です 
 
その5. 少ない電源ですむ。
 
カメラの消費電力は、12VDCで2A(max.24W)程度です。
 
■ カメラの操作
 
カメラの操作は、IDT社が25年以上開発を続けて来ている自社カメラ専用の操作ソフトウェア「Motion Studio」(モーションスタジオ)(ver.2.16.08は、2024.01リリース予定)で行います。
操作ソフトウェア「Motion Studio」は、このシリーズの定番操作ソフトウェアで、非常に使いやすいものです。
IDT社の開発する高速度カメラは、すべてこの操作ソフトウェアで操作することができます。
複数台のカメラを本ソフトウェアで同時操作でき、撮影・保存が行えます。
 
Motion Studioはライセンスフリーなので、お客様のパソコンに自由にインストールして使うことができます。
また、カメラを接続していなくても、撮影された画像(AVIファイルなど)を再生して見ることができます。
このソフトの再生機能は洗練されていますので、パソコンに付属している動画ビュア(MediaPlayerなど)よりはるかに使いやすくなっています。(ただし、本ソフトウェアには音声機能はないので、音声動画を作ることや音声の再生はできません)。
最新のソフトウェア(Motion Studio)は、IDTジャパン(株)のWebサイトからダウンロードすることができます
 
このソフトウェア(MotionStudio)が使いやすい理由を以下に示します。
 
・ 1コマ毎の再生(コマ送り)が可能。 - 動画像をゆっくりと再生できる。逆転再生も可能。
・ 再生しているコマのフレーム数が表示されるのでコマ管理ができる。
   1,000コマ/秒で撮影された現象でそれが6コマの現象とわかれば、6/1000秒の時間と理解できて便利。
・ 再生速度を自由に選べる(コマ飛び = スキップ)機能がある。
・ トリム機能がある(再生したいフレームの範囲を設定できる)。
・ 画面の拡大が任意にできる。
・ 複数の動画像を開いて、コマ同期による再生が可能。
・ 開いた動画像を別ファイルフォーマット(TIFF、JPEG、PNG、AVI、H.264/MP4など)に保存できる。
  ROI(画像エリア)を再度設定することができる。また保存フレーム範囲(トリム)も設定できる。
・ 2つの動画ファイルを一つにして保存できる。
・ カーソルの発生ができるので、興味あるポイントの座標値を読み取ることができデータの保存も
 できる。 - 簡単な変位解析、速度解析ができる(データはcsv形式で保存可能)。

 

 
カメラ構成。
カメラをUSB-CケールでSB-Cシングルハブに接続します。
電源、操作PCとの接続(10G Base-T)、同期信号はすべてUSB-Cハブに接続します。
ノートパソコンと比較して、カメラの小ささが理解できます。
 

 

■ OSIIカメラ 概略仕様

OSIIカメラシリーズは、以下に示すように5種類あります。
必要に応じて選びます。
それぞれの差違は、画素数と最高撮影速度です。大きさと構成は同じです。
5種類の全てに白黒とカラー素子があります。
 
項   目
OSII - HD
OSII - 1550
OSII - 3530
OSII - 5K
撮像素子
CMOS 固体撮像素子
カラー36ビット/白黒12ビット
画素数
1920 x 1080 画素
1440 x 1024 画素
2560 x 1440 画素
5120 x 2880 画素
ピクセルサイズ
9.1 μm x 9.1 μm
17.5mm x 11.7mm
11.6μm x 11.6 μm
16.7mm x 11.9mm
7.5μm x 7.5μm
19.2mm x 10.8mm
8.7μm x 8.7μm
44.4mm x 25.0mm
レンズ
4/3型マイクロフォーサーズ 
(Cマウントレンズ アダプター有)
4/3型マイクロフォーサーズ
最高撮影速度
@フル解像力
5,850コマ/秒
4,700コマ/秒
2,400コマ/秒
400コマ/秒
階調
12bit(白黒)、36bit(カラー)
最小露出時間
1 μs ( = 1/1,000,000秒)
1μs単位で、1/撮影速度 - 2μs
までの設定可能)
撮影枚数@フルフレーム
約23,000枚
約32,000枚
約11,700枚
約3,000枚
データ通信
10G Base-T
(StreamingモードはThunderbolt3)
操作ソフトウェア
IDT社 MotionStudio
耐G性能
全方向 衝撃 200G、振動40G
カメラサイズ
72mm(W) x 64mm(H) x 85mm(L)
カメラ重量
約 400 g (取付けプレート付で500g)
電 源
DC12V
24W max.
標準ACアダプタはAC100V,50/60Hz
特  徴
ハイビジョン対応。最高速性能
安価版。
水平2,560画素
水平5,120画素

 

 

 

■ カメラ接続手順
 
カメラ接続の手順は、以下の通りです。
 
1.  カメラを固定しレンズを取りつける
カメラの固定は、カメラに装備されているカメラネジ穴を使って三脚に取り付けます。
カメラ取付ネジは、アメリカのインチ規格ネジ(1/4-20UNC)(写真左)です。
日本では、カメラネジとしてJIS規格にもなっています。
JIS規格のM6ネジに良く似ていますが、M6はネジピッチが少し細かくて(M6ネジピッチは1mmでカメラネジは1.27mmピッチ)、そして外径が6mmで、それに比べてカメラネジの外径は6.35mmと若干太くなっています。
このインチネジ(UNCネジ)はホームセンターなどでもよく見かけるようになりました。
カメラスタンドを使わずに自分で実験装置に取り付けたい場合は、このボルトを買い求めることができます。
六角ボルトなどがよく出回っています。六角穴付ボルトはインチ専用の六角レンチが必要です。
 
OSIIシリーズカメラに装備されているレンズマウントは、マイクロフォーサーズ(4/3型)マウントです(Cマウントは注文時に指定)。
撮像素子は、OSII-HDの場合、1画素9.1μm x 9.1μm 素子で、1,920 x 1,080画素です。
撮像素子の大きさは、17.4mm x 12.3mm(対角線21.3mm)となります。
この撮像素子サイズは、1形(1インチ)もしくは4/3型のCマウントレンズを必要とします。
2/3形(2/3インチ)Cマウントレンズでは、フル画面撮影で周辺部にケラレ(のぞき穴の視野現象)が生じます。
フル画面で周辺部まで画質の良い撮影を行いたい場合は、一眼レフカメラ用レンズ(例えば、ニッコールレンズ)を使います。
この時、ニッコールレンズがカメラに取りつけられるようにマウント変換アダプタ(例えば、F-Cマウントアダプタ)を使います。
キャノンEFマウントアダプタを用いればキャノンEFレンズを使うことができます。
このレンズでは、リモートフォーカス、リモートアイリス、リモートズームの利用が可能で、操作ソフトウェアMotionStudioから制御できます。
 
2. カメラをアダプター(USB-Cシグナルハブ)に接続する
カメラヘッドは小型軽量で撮像素子とそれを駆動する回路でできています。
カメラ操作は、USB-Cシグナルハブを経由するため、カメラケーブルをカメラヘッドに接続します。
このカメラケーブルは形状はUSB-Cケーブルで5m長さがあり、不用意に外れないようにロックネジがついています。
ケーブル長さは5mが標準ですが、中継ケーブルエクステンダーを使って10mまで延長することもできます。
 
3. パソコンとカメラを接続する
カメラとパソコンを接続するケーブルは、USB-Cシグナルハブの場合LANケーブルで接続します。このカメラは10G Base-Tでの接続ができますので、この規格に対応したPCと接続すれば高速データ転送が可能になります。
従来の1000Base-Tも使用できます。(その場合は通信速度が落ちます。)
LAN接続では、市販のスイッチングハブを使って長距離転送をしたり、複数のカメラ(LAN接続)の同時操作ができます。
 
4. カメラに電源を接続する
カメラ用電源は、標準で付属しているACアダプター(商用100VACから12VDC、60Wを作る電源)を使います。
 
 
■ カメラレンズ着脱 - micro フォーサーズレンズ
右上図に示すように、OSIIカメラのレンズ着脱マウントはバヨネットマウント式になっています。
カメラ側に装着してあるバヨネットリングを回してレンズを着脱します。
カメラ前面からみ見てリングを右側に回すとカメラレンズが緩み、反対側に回すと締め付けられて固定されます。
該当のレンズの上下を良く見てレンズ側の赤い点とカメラマウントの赤い点を合わせてレンズを挿入し、バヨネットリングを左に回して固定します。
回す角度はおよそ30°から45°です。
 
■ カメラネジ - UNC1/4-20 ネジ
カメラネジは、カメラ底部にUNC 1/4-20がついています。(右写真)
通常のカメラネジです。
三脚などを利用してカメラを固定します。
OSIIカメラの標準プレートはUNC 3/8-16大ネジが元にあって、UNC 1/4-20小ねじアダプターが付いています。
この小ねじアダプターネジを外せば大ネジが使えます。
カメラネジ穴の右横には長穴がもうけられていてカメラのフレを防止させるためのボスを入れることができます。
カメラケーブル結線は、左図のロックスクリュー付のUSB-Cケーブル1本で行います。
このケーブル1本で、カメラへの電源供給、カメラ通信コマンド送受信、画像転送(LIVE画像、録画画像)、同期信号送受信を行います。
ケーブルは標準で5m長です。
高速通信を行う関係上、カメラケーブルは長くすることができません。
5m長以上のケーブル接続を希望される場合は、IDTジャパン(株)まで問い合わせ下さい。

 

 

 

 

 

 

■ カメラの入/出力信号の説明
 
入力・出力信号の説明をします。
 
トリガー入力コネクタ(Trig. IN  Trig. OUT)
トリガ信号は、カメラ撮影の記録タイミングを決める外部からの電気信号です
 
(他社製品では、「トリガー信号」という言葉を別の意味として使われています。弊社製品で規定するSync.INと同義語として用いられているようですが、弊社で定義するTrig.IN信号は、高速度撮影をする一連の連続動画を終了させるための信号です。フレーム「0」を特定するための信号です。)

 

コネクターは、SMAコネクタです。写真中の一番左のSMAコネクタがトリガー信号です。
高速度カメラは撮影速度が速いために、単位時間当たりのデータ量が多くビデオテープやDVDなどに直接録画することが困難です。
従って、このカメラを含め多くの高速度カメラではデータの読み書きが速いRAMメモリが使われます。
当然、有限枚数での記録(多くの場合数十枚から数千枚程度)となるので、限られた枚数のどのタイミングで撮影を終了させるかが重要になります。
トリガ信号は、撮影の開始、もしくは終了をカメラに知らせる信号となります。
例えば、100枚の画像を記録できるRAM領域を確保したとして、100枚をどのタイミングで撮影して終わるのかを、このトリガ信号で決定します。
トリガ信号入力時点の設定(例えば、前50枚と後50枚の設定)は、操作ソフトウェア(Motion Studio)から行います。
設定は1枚単位で行え、任意の位置(最初、真ん中、最後、10%の時点など)に選択することができます。
 
電気信号で行うトリガ信号は、
 
   * TTL(トランジスタ - トランジスタ ロジック)信号
   * CMOSのロジック信号
 
のいずれかで受け付けます。これらの信号はデジタル信号規格です。
電圧と電流を制御した「0」と「1」の信号です。
0Vから0.6V程度までを「0」とみなし、2.0Vから5V程度を「1」とみなします。
リレー接点(無電圧)や手動のペンダントスイッチ、フォトカプラーのオープンコレクタなどの接点信号を使うこともあります。
ロジック信号は、立ち上がり信号(または、立ち下がり信号)のいずれかで送られてくるので、入力される信号に従って操作ソフトウェアで選択することができます。
トリガ信号については、●技術ノートNo.3「トリガ」の項目を参照下さい。
 
トリガ信号以外にパソコンの操作ソフトウェア上の「Trig」というボタンを押しても、同様の動作をさせることができます。
パソコン上の「Trig」ボタンと、電気信号によるトリガ信号の違いは、タイミングの精度です。
パソコンからのトリガ操作は、操作者がマウスをクリックして行うためにトリガタイミングが0.2秒〜0.4秒程度遅れます。
電気信号によるトリガ信号は、数マイクロ秒以下なので、10,000コマ/秒(100μs単位の撮影)で撮影したとしてもフレーム間隔以内に入るため、「タイムゼロ」のタイミング遅れがほとんどありません。
撮影対象によっては、現象の推移する時間タイミングを正確に知りたい場合があります。
例えば、クルマの衝突実験などでは、クルマの衝突する瞬間をテープスイッチや歪みセンサー、光センサーなどで電気信号として取り出し、試験に使っている計測装置(加速度センサーなど)にタイム「0」信号を送っています。
この信号を高速度カメラにも送りタイム「0」を特定しておけば、センサーデータと画像の突き合わせや、時間経緯の解析に有効となります。
 
▲ 同期信号入力 コネクタ
Sync.IN コネクタ部は、カメラに撮影タイミングの信号を入れる所です。
2000コマ/秒で撮影したければ2000HzのTTL信号 (5Vパルスのデジタル信号)を入れます。
また、複数のカメラを使ってカメラ相互の同期撮影したい場合に使います。
同期撮影を行う場合、カメラ(マスターカメラ)の同期信号の出力を同期を行わせたい別のカメラ(スレーブカメラ)に送ります。
もしくは、同期信号を発生させるタイミングパルスジェネレータ(IDT社製ではTiming Hub)を使って全てのカメラのSync. INに同期信号を入れます。
Sync. IN が接続されているカメラが「外部同期」モードになっていれば、カメラは絶えず Sync.IN からの信号をモニタし、信号が入る毎に撮影を行います。
同期信号は、TTL(トランジスタ - トランジスタ ロジック)信号か、CMOSのロジック信号を使います。
Sync. IN に入るロジック信号は、立ち上がり信号か立ち下がり信号の両方とも受け付けますので、操作ソフトウェアで指定します。
▲ 同期信号出力 コネクタ(Sync. Out)
Sync.Outは、カメラの撮影タイミング(正確にはカメラ撮影の露出が開くシャッタタイミング)に合わせて電気出力が出るものです。
他のカメラと同期撮影をさせる場合に、この出力信号を同期を受けるカメラに渡します。
また、ストロボLED(IDT 120E)を同期発光させてストロボ撮影を行う場合や、パルスレーザと同期発振をおこなう場合にこの出力を使います。
  
  
Sync. OUT信号は、CMOSのロジック信号(5V)が出力されています。
ロジック信号は、立ち上がり信号か立ち下がり信号のいずれも出力可能ですので、操作ソフトウェア(Motion Studio)で指定します。
本製品には、同期出力信号が2系統装備されていて、Sync. OUT 1とSync. OUT 2の2系統があります。
2つあるのは、Double撮影モードのPIV(Particle Image Velocimetry)用に使うもので、操作ソフトウェアからそれぞれの出力信号の遅延時間とパルス巾を設定することができます。
 
▲ レディー信号出力 コネクタ
Ready信号は、録画準備状態でトリガー信号の受け入れができているときにHighになります。トリガー信号を受け付けて録画が始まるとLowに落ちます。
録画が終了した時や再生中、カメラ停止状態ではReady信号はLow状態です。
 

 
 
 
■ カメラ操作  -  カメラを実際に操作する
 
カメラ操作は、IDT社が開発しているカメラ操作ソフトウェア「Motion Studio」(モーションスタジオ)で行います。
このソフトウェアは、Windowsパソコンで動作します。
モーションスタジオは、IDT社及びRedlakeの高速度カメラのすべてに対応し、カメラ操作をすることができます。
 
● 操作コンピュータ
「Motion Studio」が動く操作コンピュータは、以下のOSを持つパーソナルコンピュータです。
一般のパソコンで十分に操作することができます。
 
Windows 7/8/10/11    64ビットモードを推奨。
 
 
64ビットパソコンは、性能が良いためLIVE画像や、撮影画像再生がスムーズに行えます。
画像のダウンロードも速くできます。
ただし動画ファイルのAVは、コーデックが32ビットCPU対応のものがほとんどなので、64bitモードで行う場合は非圧縮か、限られたコーデックを選択する必要があります。
弊社では、H264コーデックのAVIフィアルを奨めています。
これは64bit CPU環境で再生することができ、Windows10標準でバンドルされているMediaPlayerで再生することができます。
このコーデックはドライバーのインストールが必要です。
 
さらに、使用するコンピュータには以下の環境が整っていることが望まれます。
 
・ 10G Base - T  LANポート - USB-Cシングルハブ使用時に必要です。1000 Base-T LANが使用可能です。
                データの通信、ライブ画像表示、画像データのダウンロードを行います。
・ Thunderbolt3 - RT-Thunderbolt3 アダプター使用時に必要です。
           データの通信、ライブ画像表示、画像データのダウンロードを行います。
・ 16GB以上のRAM - RAMが多いほど録画枚数を多く設定できるので操作が快適に行えます。
・ 1TB以上のHDD - 動画像を保存する場合ハードディスクの保存容量は大きい方が便利です。
・ 1600x1200画素以上のモニタ画面 - 大きい画面の方が画像の視認など便利です。
・  IntelCorei7以上のCPU - CPU性能が良いほど、画像表示がスムーズに行えます。
 
CPUの性能が劣ると、
・LIVE画像(ピント合わせなどコンピュータに表示させる画面)が滑らかに表示できず飛び飛びの画像になる。
・画像データのダウンロードが遅い。
・ダウンロードした画像の再生が遅い。
・複数画像を同時に読み出して同期再生する場合、再生が遅い
・フリーズを起こしやすい。
 
などの問題が起きます。
 
 
 
 
● 起動
 
操作ソフトウェア(MotionStudio)のインストールは、カメラに同梱されているインストーラ用のUSBメモリを使うか、
インターネット経由でダウンロードしたインストールファイルを使います。
インストールを行うと、右に示したMotion Studioのショートカットキーがパソコン画面に表れます。
このショートカットキーをダブルクリックすると、下の画面が表れて操作ソフトウェアが立ち上がります。
 
MotionStudioは、64ビット対応OSの同一パソコンに32ビットモードと64ビットモードの2つのアプリケーションがあり、これを同時にインストールすることができます。
必要に応じて使い分けることができます。
OSIIカメラでは、x64対応のMotionStudioの使用をお勧めします。
 

.

 
 
 
 
● メインメニュー
 
本ソフトは、下に示したメインメニューで示されるごとく、6つのメインプログラムから成り立っています。
 
「画像」
コンピュータ(もしくは外部記憶装置)に保存された 動画ファイルを再生することができます。
再生できる動画像フィアルは、RAW(IDTカメラ専用のRAWファイル)、AVI、MP4、mov(アップル)、MPEG、連番TIFF、連番JPEG、連番BMP、などです。
動画像の再生は、「再生」メニューを参照下さい。
 
「カメラ」
カメラ操作をするメニューです。
このボタンをクリックすると、「カメラを開く」メニューに移ります。
 
「ロウファイル」
カメラの生データ(RAWファイル)を再生、管理します
 
「SDカード/SSD」
SDカードに保存された画像を開くことができます。
 
「データベースビューワー」
カメラで撮影した動画像を管理するメニューです。
保存された動画像は管理ファイルも同時に添付されるので、カメラの撮影条件や日時などのデータをこのメニューで読み出すことができます。
 
「タイムスタンプ」
録画画像上に、フレーム番号、撮影速度、トリガーからの経過時間、などをスタンプとして重ね合わせることができます。表示項目、表示位置、文字大きさ、色、フォントなどを設定できます。
 
「オプション」
カメラ操作に関するオプション設定を行います。
 
・画像ダウンロード
   保存先設定、RAWファイル保存、
   自動保存など。
・カメラオプション
   録画中のライブモード、露出時間の単位、
   ホットキー設定、ネットワーク設定など。
・その他
   カメラ操作上の詳細設定、ダイアログ設定、
   複数のMotionStudioの立ち上げ、
   モーショントラッキング設定、など
 
「言語」
日本語、英語などの言語を設定します。

 

 
● カメラを開く - カメラを認識する
 
カメラ操作を行うために、上記の初期画面の6つの項目から「カメラ」を選択します。
「Motion Studio」は、IDT社の高速度カメラすべてに対応して同じ操作環境でカメラ操作を行うことができます。
このメニューでは、本ソフトウェアで扱う高速度カメラのタイプを選択することができます。
IDT社の高速度カメラは、タイプによってデータ通信を以下の方法で行っています。
OSIIカメラシリーズは、イーサネットケーブルを使い、それも10G Base-Tの高速通信が可能です。
また、カメラのアダプターをRT-Thunderbolt3 Adapterに代えれば、Thunderbolt3を使ったストリーミング撮影が可能です。
・ USB2.0 - 一番簡単な接続。長距離通信は苦手。通信速度はコンピュータの管理のもとで決まる。
      IDT社の採用カメラ :  MotionPro Yカメラ。
・ イーサネット - 長距離通信、複数カメラの使用の場合便利。
      IDT社の採用カメラ :  Nx、Os、CCMカメラなど。
・ CameraLink - 高速通信。コンピュータに拡張ボードを挿入する必要あり。
      IDT社の採用カメラ :  M3カメラ
・ Thunderbolt3 - 超高速通信。
        IDT社の採用カメラ :  XSMカメラ。
 
「カメラ」を選択すると、以下左のメニュー(カメラ列挙フィルター)が表示されますので、使用するカメラにチェックマークをして、「OK」ボタンを押します。
OSIIカメラでは、一番上のLAN接続の「NR/NX/O/Os/OsA/CC/CCM/CCS」を選択します。
使用するカメラを指定することで、コンピュータがカメラをサーチする時間を短縮することができます。
下図右のカメラリストブラウザが開きます。
 
このメニューでは認識したカメラのリストを表示の他に、カメラ再度の認識や、名前の編集、カメラの再起動を行うことができます。
カメラが2台以上パソコンに接続されているときは、認識できるカメラすべてをリストアップします。
複数のカメラが認識された場合、カメラから使いたいカメラにチェックマークを入れ、「開く」ボタンをクリックします。
 
 
クリックすると、以下の操作メインメニューが表れます。
 
 
● メイン操作画面
 
 
 
上に示された操作メニュー画面は、大きく分けて以下の4つに分かれます。
 
  ・中央部の画像エリア  - カメラからのライブ画像、再生画像を見るエリア。
  ・右部の操作メニュー  - カメラの撮影条件を設定するエリアで3つのタブがあります。また上部には、ライブボタン、録画ボタン、トリガーボタンがあります。
  ・画面上部の管理(帯)メニュー  - ファイル管理や画像の拡大縮小、カメラの認識、オプション設定、すべて操作を行うコマンドが
                     格納されています。付属品のタイミングハブの操作、A/D変換装置操作などを行うエリアです。
  ・画面下部の画像再生メニュー  - 撮影後の画像や保存した画像を再生する際の操作ボタンです
 
最も頻繁に使うのは、メニュー右側にある「カメラ」タブです。
「カメラ」タブでは、カメラのライブ画像を選択したり、撮影速度、露光時間などを決めます。
「録画」タブでは、録画枚数の設定、外部同期撮影設定、トリガー設定を行います。
録画の再生は、画面下部にある再生メニューで行います。
 
 
カメラの各操作について説明します。

 

● ライブのタブ
 
操作タブでは右に示す操作ボタンが配置されています。
 
 
「録画」ボタン
このボタンを押すと、カメラは録画を開始します。
録画終了は、基本的には「トリガー」ボタンで行います。
電気信号を「Trig IN」端子から受け付けても録画を終了させることができます。
トリガボタン(もしくはトリガー信号)で録画を終了するのは、録画モードが「Circular」(サーキュラー)の時です。
録画モードについては下記の「録画モード」を参照して下さい。
録画モードが「ノーマル」の時は、録画ボタンを押したと同時に録画が開始され、メモリが一杯になると(指定録画枚数に達すると)録画が終了します。
 
「停止・スナップ」ボタン
ライブ画像を停止したり、録画を途中で ストップさせるときに使います。
ライブ画像でこのボタンを押すと、最後に取り込んだ画像をそのまま表示し続けます。
これがスナップ 画像です。カラーバランスを取るときや画素数設定をする際に使います。
 
「ライブ」ボタン
カメラからのライブ画像を表示します。
ライブ画像は操作PCの性能によりますが、およそ10コマ/秒程度でパソコン画面にライブ画像を表示しています。
ピント合わせや画角チェック、光量チェックに使います。(ライブ画像は、録画中にも表示されます。)
 
「トリガー」ボタン
このボタンを押すと録画を終了します。これを使うのは、録画モードが「Circular」(サーキュラー)の時です。
トリガー操作は、このボタンを押す操作の他にカメラの「Trig」信号入力によっても動作します。
 
 
「ライブ」タブの下には、3つのサブタブメニュー があります。
 
 
「カメラ」  - カメラ撮影速度や露出時間の設定を行います。
 
「録画」  - 録画モード、トリガー設定を行います。
 
「画像」 - 明るさ、ガンマ、カラーバランスなどを設定します。
 
 
● 操作ソフトを使った撮影の流れ
 
簡単な撮影の流れを説明します。
 
1. ライブボタンを押してカメラ画像を写し出します。
 
2. カメラのフォーカス視野調整を行います。
 
3.  撮影速度、露出時間  
など適切な設定(「カメラ」タブで行います)を行ったのち、録画ボタンを押し録画を開始します。
4. トリガ信号、トリガボタンによる録画を終了します。これが有効になるのは「録画モード」が「circular」の時です。
 
5. 再生メニュー   にて録画された画像を再生します。
 
6. 再生確認の後、画像をパソコンにダウンロードします。
 
7. 次の録画を開始します。
 
 
 
 
 
● 「カメラ」タブ
 
「カメラ」タブでは、以下の項目を設定できます。
 
・センサーゲイン:
   カメラの感度設定です。 0dB(=1 )が標準感度で、
   3dB(=1.41 )、6dB(=2.0)などの感度設定ができます。
   光量が足りないときにゲインを上げますがゲインを上げると
   ノイズが多くなります。
 
・レート[Hz]:
   撮影速度(コマ/秒)です。
   このメニューでは、画像サンプリングの観点で
   Hz( = ヘルツ)の単位を採用していますが、
   撮影速度(fps = frames per second、コマ/秒)と同意語です。
    アイコンはLow Lightボタンで、上の「レート」で規定される
   露光時間とは別に長い露光時間が設定できるボタンです。
   高照度の照明装置を点灯させずにピント合わせをする場合
   視野を確認する場合に便利です。
   このアイコンをクリックした時には、下の「露光時間」の設定で
   長い露光時間を設定できます。最長露光時間は33,000usです。
   Low Light ボタンはライブ画像での事前チェックのみの
   使用であり、撮影時は露光時間が元にもどりますので注意下さい。
 
・露光時間[μs]:
   画像一枚を撮影するのに要する露光時間です。
   露出時間とかExposure Time とも言います。
   単位は、マイクロ秒(μs) = 1/1,000,000、百万分の1秒
   で設定します。直接キー入力できます。
 
    のボタンは、露光時間の数値を√2(=1.4)倍ずつ
   設定するスキップボタンです。
   ボタンをクリックする毎に1.4倍露光時間が短くなったり、
   長くなったりします。
   ラフな露出条件を決めるときに便利です。
   ちなみに[+1/2f] の[f]は、レンズの絞りのfから流用した
   もので、レンズ絞りの1/2絞り相当の光量を露出時間で
   補うという意味が込められています。
   例えば、1000usの露光設定値から[+1/2f]ボタンを押すと√2(=1.4)
   すなわち1410usに設定されます。
   もう一回ボタンをおすと2000usとなります。
 
・露光モード:
   [Single]- 通常の撮影モードです。
   [Double] - PIV(Particle Image Velocimetory)撮影に使うモードです。
          PIV撮影は流れの可視化手法の一つです。
          特殊な分野での撮影なのでここでは触れません。
 
自動露光:
   画面の明るさを都度チェックし、露出時間を自動的に調整することにより、
   適切な露光を行います。
   屋外実験などで天候によって明るさが変わったり、燃焼試験で対象物が明るく
   なったときに自動的に露出時間を抑えて適正露光にします。
 
・モーショントリガ:
   注視する画面の明るさ変化でトリガをかけるものです。
   この設定では、任意の画像範囲をトリガ検出エリアとして設定することができ、
   設定エリア内に明るい物体(もしくは黒い物体)が入った時トリガがかかります。
 
・ビニング:
   複数の画素を1画素と見なす機能です。1x1(1画素)、2x2(4画素)、3x3(9画素)
   の設定ができます。
   ビニングを行うと、1つの見かけ上の画素が大きくなり(画素数が減りますが)感度が上がります(明るくなります)。
 
・階調:
   画像の階調を設定します。この階調の設定で暗部の階調を上げることができるので、
   相対的に感度を上げることができます。
   カメラは10ビット濃度(10,24階調)で録画され、10ビット濃度のうちの8ビット(256階調)を選択することができます。
   10ビット濃度から8ビット濃度を選択できるので3段階(0〜8ビット、1〜9ビット、2〜10ビット)の設定ができます。
   上位8ビット(2〜10ビット)が標準で、下位ビットの設定(0〜8ビット)では感度が高くなります。
   下位ビットはノイズ成分も多いので、感度が上がる分ノイズ成分が増えて画質を犠牲した画像となります。
 
・ROI:
   Region Of Interestの略です。画像領域を指定できます。
   画像領域の指定は、画素数での設定ができます。
   ROIの設定は、右のROI設定ボタン を押して詳細設定を行います。
   詳細は、ROIの設定を参照下さい。
 
・メモリ管理:
   機械ギア のアイコンをクリックするとカメラ内蔵のRAMメモリの管理を行うことが
   できます。メモリは、セッションで小分けに撮影を行うことができます。
   このアイコンをクリックすると、メモリ管理の詳細メニューが表れます。
   詳細はメモリ管理の項目を参照下さい。
 
 
 
● 「録画」タブ
 
 
・「録画モード」:
録画モードは、3種類あります。
「Normal」:
通常の撮影モードで、トリガー信号を使わないモードです。
このモードでは、「録画」ボタンを押すと直ぐに録画を開始します。
「フレーム」で設定した枚数を録画すると録画を停止します。
「Circular」:
トリガー信号を必要とする録画モードです。
このモードで、「録画ボタン」を押すと録画を開始しますが「トリガー」信号が入るまで録画は終了されません。
「トリガー」信号が入力されると、以下の「トリガー調整」で設定された
フレーム(撮影枚数)配分で録画が終了します。
「BROC」:
Burst Rec On Command というモードです。
このモードでは、トリガー信号が入ると、予め「BROC録画フレーム数」で
決められた枚数分だけ録画し、「フレーム」設定に達するまで録画回数を
連続して撮影していくモードです。
例えば、一回の試験で20回程度現象が起きてその都度100コマ/秒で
50枚の撮影を行いたいとするときに、以下のように設定します。
 
   「フレーム」 = 1000
   「BROC録画フレーム数」=50、
   「レート」 = 100 Hz
 
・「フレーム」:
  録画する撮影枚数です。右の参考例では1000と設定されています。
  この項目の右に示された数値(秒数Sの単位表示)は、
  指定した録画枚数が時間換算にしてどのくらいの時間(秒)分の
  録画ができるかを示したものです。
  この数値(時間)は、フレーム/レート で算出した値となります。
 
・「BROC」:
  BROC = Burst Rec On Commandモードで有効になる入力数値です。
  トリガー信号を受け付けた時に指定した枚数分の撮影を行います。
  この枚数を、例えば50枚と設定し、その左横の「フレーム」を1000枚と設定すると、
  トリガー信号は、20回分(←1000/50 = 20)受け付けることになります。
 
・「フレーム同期」:
  内部同期と外部同期の2つが選択できます。
  内部同期は、カメラ内部の発信器で撮影を行うもので一般的な撮影です。
  外部同期では、RT Thunderbolt3 アダプターの「Sync. IN」に入る同期信号によって撮影を行います。
 
・「同期設定」:
  「Sync. IN」に入力される電気信号の選択ボタンです。
  Edge-High(立ち上がり)とEdge-Low(立ち下がり)の二種類があります。
 
・「トリガー設定」:
  「Trig. IN」に入力される電気信号の選択ボタンです。
  Edge-High(立ち上がり)とEdge-Low(立ち下がり)とSwitch Closure(手動スイッチ、リレー接点)
  の三種類があります。 
  トリガ信号については、●技術ノートNo.3「トリガ」の項目を参照下さい。
 
・「トリガー調整」:
  トリガ信号を撮影フレーム数のどの位置でかけるかの設定です。
 
・「アドバンス」:
  トリガ信号、同期信号の詳細設定です。遅延時間設定、信号モード(立ち上がり、立ちさがり)設定などを行います。
 
・メモリ管理:
   機械ギア   のアイコンをクリックすると、カメラ内蔵のRAMメモリ管理が行えます。
   メモリは、セッション設定で小分けにでき、セッション毎に撮影ができます。
   このアイコンをクリックすると、メモリ管理の詳細メニューが表れます。
    詳細はメモリ管理の項目を参照下さい。
 
・SSDオプション:
   OSIIカメラにはカメラ内部にメモリがなくSSDも装備していないので、この機能は有効にはなりません。
 
 
 
 
● 「画像」タブ
 
画像のカラーバランスを調整するタブです。
 
・ ホワイトバランス:
   光源によって変わる白のバランスを調整する機能です。
 
・ デフォルトカラー:
   カラー画像に最適なカラーバランを設定をするボタンです。
 
・ アドバンスカラー :
   ホワイトバランスの詳細設定です。
 
・ JPEG圧縮:
   JPEG圧縮の度合い設定です。
 
・ シャープネス:
   画像のシャープさを設定します。
 
・ ブライトネス:
   明るさを調整します。
 
・ コントラスト:
   コントラストを調整します。
 
・ ヒュー:
   色相調整を行います。色合い調整ができます。
 
・ サチュレーション:
   色の濃さを調整できます。
 
・ ガンマ: 階調度合いを設定します。
 
・ LUT: ルックアップテーブルです。
 
・ デフォルト: 画像設定を初期設定に戻します。
 
 
 
 
 
 
● 撮影画像のダウンロード
 
撮影された画像をPCにダウンロードします。
メインメニューの保存ボタンを押すと右の保存メニューが現れます。
このメニューから、保存先フォルダーの設定やフォルダー名の設定、画像ファイルフォーマットの設定、ファイル名、保存範囲、再生速度などが設定できます。
設定後、「保存」ボタンを押してPC内の希望する場所に録画画像を保存します。
 
保存するファイルフォーマットは、ファイル形式のボタンから以下に示すような一覧が表示されるので、希望するフォーマットを指定して保存します。
ファイルフォーマットでよく知られたものとしては、TIFF、BMP、Jpeg、PNGがあり、動画ファイルフォーマットとしては、AVI、MPEG、MP4などがあります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
● ROI(Region Of Interest)の編集
 
ボタンを押すと、以下のメニューが表れます。
ROIは指定範囲の意味で、撮影する画素範囲を示します。
このメニューで撮影画像の大きさや位置を自由に決めることができます。
また、希望する画素の大きさで撮影可能な最大撮影速度も表示されます。
上のROIの編集画面の左欄は、予め設定された画素数構成で、ここをクリックすると設定画素数での画面になります。
中央部の画像画面はROIを設定する画面で、赤い枠が設定枠です。
設定枠は、カーソルを使って任意に大きさと位置を設定できます。
赤枠の位置情報は、下欄の数値に表示され、赤枠の左上部の座標(X始点、Y始点、横サイズ、縦サイズ)で示されます。
この欄に直接キーインして赤枠の位置を指定することもできます。
赤枠を指定した画素数での最高撮影速度(最高フレームレート)やSSDの最高ストリーミングレート、最大録画枚数、最長録画時間が計算されて逐次表示されます。
左欄の下部にある二つの設定ボタン、「中央部に設定」は赤枠を画像の中心に設定するボタンであり、「リセット」は最大画素サイズに戻すものです。
 
 
 
● メモリ管理
 
ボタンを押すと、下のメニュー「アクイジションの詳細設定」画面が表れます。
このメニューでは、カメラ録画に割り当てられたメモリを確認し、一度の撮影にどれだけのメモリが割り当てられるかを確認することができます。
その割り当ては、メニュー下部に赤色と緑色のバーが表示されています。
 
 
赤色は、撮影が終了したメモリ部で、グリーン部は使われていないメモリです。
ここでは表示されていませんが、メモリを割り当てられていても撮影が終了していないセッションは青色で表示されます。
上で示されているメニューの場合、メモリは12GBが割り当てられていてその中の1000枚分が撮影のために割り当てられ、割り当て分の撮影が終わったことがわかります。
また、このメニューでは、録画メモリの管理や画像の保存の設定が行えます。
 
・セッション名:
画像を保存する際には、セッション名で定義されたフォルダが希望するディレクトリーに作られます。
セッション名は自由に作ることができます。
「□同じ名前をこのアクイジションにつける」にチェックを入れるとセッション名の中に作られるフォルダー名が同じになります。
 
・フォルダー:
この設定では、セッション名で定義されたフォルダの中に実験毎に予め定義されたフォルダが作られ、その中に画像がダウンロードされます。
上の例では、「XSMテスト」というセッションのフォルダーの中に「Test2022_nnn」というフォルダができます。
nnnは、001から始まる連番でダウンロード毎に番号が割り振られます。
 
・画像プリフィックス:
画像ファイルにつけられる名前です。上の例ではXSM_Testと定義されているので、ファイル名はXSM_Test_nnn.XXXとなります。
nnnは連番ファイルでフレーム番号となります。XXXは、jpg、BMP、AVIなどの画像フォーマット拡張子です。
 
・コメント:
ダウンロードする画像にコメントをつける機能です。
 
・フレーム:
録画する枚数の設定を行います。「最大録画枚数」ボタンを押すと最大枚数が設定されます。
この欄の右に表示される数値は設定枚数に対する録画時間です。
 
・ファイル形式:
 
画像を保存するファイル形式は上に示すように多くのフォーマットに対応しています。
画像の保存は、以下のフォーマットでは連番ファイルとしてフォルダに保存されます。
 
  ・ TIFF
  ・ BMP
  ・ JPG
  ・ PNG
 
この他に、以下のファイルでは連番としてではなく一つのファイルで保存できます。
 
  ・ TIFF
  ・ Bayer
  ・ MCF
 
また、動画ファイルでは、
 
  ・ AVI
  ・ MPEG
  ・ MP4
  ・ QuickTime
 
のフォーマットファイルで保存できます。
 
・ 保存先フォルダ:
この欄に表示されるフォルダーはフォルダーの置かれたディレクトリーを示します。
ディレクトリーを変更したい場合は、メニュー最下段左にある「オプション」をクリックしてディレクトリーを変更します。
 
・「新規」 - 新しいセッションを作るときにこのボタンを押します。
       このボタンを押すと新しいセッションの定義メニューが表れます。
 
・「削除」 - 作成したセッションを削除したいときにこのボタンを押します。
 
・「全て削除」 - このボタンを押すと小分けに分けられたすべてのセッションが削除され一つのセッションになります。
 
・「全てに適用」 - 表示されている設定(画像プリフィックス、コメント、フレーム、ファイル形式)を全てのセッションに適用します。
 
 
 
● プレイバック (画像の再生)
 
録画された画像や、保存された画像を再生するときに使うメニューです。
操作アイコンは、多くの動画再生ソフトと同じ形状なので容易に操作ができると思います。
最上段にあるアイコンは、左から、 頭出し、一コマ逆転、逆転再生、停止、正転再生、一コマ再生、末尾出し、 という配列になっています。
 
スライドバーを使ってドラッグすると動画をすばやく再生することができます。
再生時、表示されている画像が何枚目に当たっているのかを知るには、操作タブ上部に表示されているフレーム番号で確認できます。
 
 
スライドバーの下にある「」は、タイム「ゼロ」を示すものです。
初期設定ではフレーム「0」がタイムゼロとなりますが、下の ゼロフレームボタンで任意に変更、設定できます。
希望するフレームを「0」フレームとしたい場合、たとえば20フレーム目を「0」フレームとしたいとき、表示フレームを「20」に合わせて、このボタン をクリックします。
 
■トリムは撮影した画像を希望する範囲にカットする機能です。
 
 
スライドバー、もしくは連続 ボタン、コマ送りボタンを使ってトリム開始点を指定し、左端の「セット」ボタンを押します(上の4画面のうちの左端画面)。
この画面では25フレームが開始フレームとなります(上画面左から二番目画面)。
さらに終了フレームを指定するためスライドバーなどで終わりのフレームを特定し、右端の「セット」ボタンを押します(上画面左から3番目)。
トリムを解除したい場合はリセットボタンを押します。
 
ゼロフレーム設定ボタンの左にある右矢印ボタン は、一回だけの再生をするかエンドレス再生にするかの選択するボタンです。
ボタンは交互入れ換わりボタンで、押す毎に表示が入れ替わり、からエンドレス再生表示になります。
Gotoボタンは、希望するフレームに移動させるボタンです。
このボタンを押すと希望するフレームをキーインするメニューが現れますので、そこでフレーム番号をキーインします。
隣にある「スキップ」設定は間引きフレームを示します。
「0」の場合は毎フレーム毎の再生を行い、「1」とセットすると1コマ飛ばし、すなわち、1、3、5、・・・、の再生を行います。
 
再生時の再生速度は、レート[fps]欄で表示され1秒間の再生コマ速度を表示しています。
レート[fps]欄の右にある設定欄で希望する再生速度をセットします。再生に実際に再生される速度がその隣で表示されます。
再生速度は、コンピュータの性能と画像の大きさによって左右されます。
また、スキップフレーム設定で表示するフレームをコマ飛ばしすることができます。
左の二つのボタンは、一つは注釈でもう一つは画像に十字線を発生させるクロスヘアラインです。
注釈は、動画ファイルにコメントを入れるためのもので、「Motion Studio」で動画像を再生する場合にはこの注釈欄で書かれたコメントが表示されます。
注釈は、画像ファイルのフレーム毎にもコメントを残すことができます。
 
操作タブの下段に表示されるビューを同期」ボタンは、動画像が複数開かれている場合、それらの動画像を時間的に同期を取って再生する機能です。

 

 
 
■ 画像を開く
 
PCに保存された画像を開きます。
MotionStudioで開けられる画像はMotionStudioで保存した画像ファイルだけでなく他のカメラで撮影したAVIや連番ファイルも開けて見ることができます。
画像を開くには、操作メインメニューの「画像」をクリックします。
 
 
 

 

 

 

 

 

■ 姉妹機 - MotionXtra Os8カメラ
3SideMotionXtra Osシリーズは、DDRとSSDを内蔵したコンパクトなカメラで耐G性能を持ちます。航空宇宙開発分野、自動車安全実験分野によく使われています。
 
● カメラ撮像素子
・ 撮像素子のタイプ:
  10ビットCMOS固体撮像素子、グローバルシャッタ方式
  (購入時、白黒素子、カラー素子いずれか指定、白黒のほうが
  画質、階調、感度とも良い)
・ 画素数: Os8にて1600画素 x 1200画素。
・ 1画素の大きさ: 8.68 μm x 8.68 μm。
・ 撮像素子の大きさ: 13.9mm x 10.4mm (対角線17.36mm)
 
● 撮影速度
・ フルフレーム(1,600 x 1,200画素にて): 8,000コマ/秒
・ 最高撮影速度(1,600 x 16画素にて): 194,000コマ/秒
 
● 露出時間
・ 最小露出時間(電子シャッタ): 1μs( = 1/1,000,000秒)
・ 最大露出時間: 1/撮影速度 - 2μs
   (例: 1,000コマ/秒の時、 998μs)
・ 設定露出時間: 1μs単位で上記範囲で任意に設定可能。
・ ダブル露出機能(PIV撮影): 可能(インターフレームは1μs)
  (流れの可視化撮影、Particle Image Velocimetry = PIV 撮影に便利)
 
● レンズ
・ 1型 Cマウントレンズ
・ アダプタ使用にてNikon Fマウントレンズ使用可能
 
● 耐G性能
・ 衝撃200G、 3軸方向にて
・ 振動40G、 3軸方向にて
 
● カメラ操作
・ 汎用PC(パーソナルコンピュータ = デスクトップパソコン、ノートパソコン)を使用
・ 操作ソフトウェア: Motion Studio(モーションスタジオ)
    IDT社Webサイトから最新のソフトウェアをダウンロード可能。
・ 対象パソコン: Windows7/8/10
・ 要求仕様
     - CPU: インテル Corei5以上
     - 通信: 1000Base-T
     - RAMメモリ: 8GB以上
     - HDD: 500GB以上
     - モニタ表示: 1600 x 1200画素以上
 
● カメラフォーカス調整
操作ソフトウェア Motion Studioのライブ画像にてフォーカス調整
 
● 画像保存
・連番TIFF
・連番BMP
・連番JPEG
・AVI 動画ファイル
・MPEG 動画ファイル
 
● カメラ大きさ
カメラ本体、63.5mm x 63.5mm x 68.6mm、重さは約600g
 
● 電源
36VDC、1A。
電源は、標準でACアダプタがついていますが、オプションでバッテリ駆動が可能。
消費電力は、カメラ立ち上がりと録画中が27W、再生、ダウンロード時25W。
 
● 電気信号ユーティリティ
・ データ通信  - ギガイーサネット通信
・ トリガ信号  - BNCコネクタ。TTLもしくはCMOSデジタル信号(立ち上がり、立ち下がり)
・ Sync.IN信号  - 同上。
・ Sync.Out信号  - 同上
widelens
MotionXtra Os カメラ 広角レンズ装着外観 (耐Gプレート着用)

 
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