高速度カメラを使ってみよう (2004.11.18)(2008.01.10更新)(2008.10.06追記) 

 

 

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企画・制作: アンフィ(有)
機材協力: IDTジャパン(株) モーションイメージング部
〒135-0066  東京都江東区深川2-8-19 サクライビル6F
電話:03-5639-2773 
http://www.idt-japan.co.jp/ 
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 2008.10.03 記
  IDT社から世界最小クラスの高速度カメラ
  がアナウンスされました。
  手のひらに載る大きさで、メモリ部と通信
  部をすべて備えています。
  このカメラの操作の実際は、別のサイトに
  掲載しています。
 

Motion Pro-X 高速度カメラは、マッキントッシュでも操作ができます。
報告: 従来のMotionPro HSのサイトはこちらを参照下さい。(2007.06.23)
詳細は、「マックで操作Motion Pro」を参照下さい。

 

 

■ 高速度カメラを使ってみよう (2004.11.25) (2006.05.03追記)
 最近、時に2000年を迎えたあたりから、たくさんの高速度カメラが市場に出回るようになりました。昔は、ほんの数機種のカメラが市場で出ていただけなのに、メーカーだけでも10社以上が参入しています。百花繚乱(ひゃっかりょうらん)の様相を呈しています。
 
 このサイトでは、たくさんある高速度カメラの中で、最も簡単に操作ができて小型で持ち運びの便利なカメラ(そして、コストパフォーマンスのよい安価なカメラ)を選んで、高速度カメラの撮影の実際を紹介します。
 
 このシリーズのカメラ価格は、350万円から450万円です。数年前に比べ1/3に値段が下がりました。フィルム時代の高速度カメラから関わっている当人としては夢のような、しかも画期的な時代になりました。
 
 使用した機材は、IDTジャパン(株) モーションイメージング部 殿が扱っているRedlake社製「MotionPro HS」というカメラです。この会社は、世界市場でトップシェアを誇るハイスピードカメラの製造業者である米国 Redlake MASD 社の日本法人です(2008年1月より、IDTジャパン扱い)。ここの会社には、たくさんの種類の高速度カメラがあり、目的に応じた高速度カメラを選ぶことができます。たくさんありすぎて、何を選んで良いか迷うくらいです。
 
 この中で、操作がもっとも簡単で使いやすいカメラ 「MotionPro HS」(2006年からはMotionPro Xとなりました)について説明したいと思います。
 右の写真は、高速燃焼観察実験風景です。シュリーレン光学系を設置し、燃焼観察チャンバー内で燃焼する状況を5,000コマ/秒で撮影しました。シュリーレン光学系に使った光源は、固体グリーンレーザです。このレーザを光ファイバーで導いて点光源として、コリメータレンズによって平行光束を作りました。
 
 
 「MotionPro」シリーズにはいろいろな種類があり、撮影速度や画質、カラー/白黒によってモデルが別れています。モデルはたくさんありますが、カメラの大きさと重さは一緒、ケーブル配線も一緒、パソコンでの操作もほとんど同じです。パソコンから操作する操作ソフトウェアは同じものを使います。もちろん、複数台の高速度カメラの同時操作も可能です。
このシリーズのカメラの大まかな性能は、
  ・1280x1024画素で1,000コマ/秒の撮影ができ(他のモデルは、512x512画素で5,000コマ/秒)
  ・小さい画面にすると60,000コマ/秒(他のモデルでは140,000コマ/秒)の撮影ができる
というものです。
このほか、
   ・感度が4倍まで上げられたり、
   ・ビンニングといって見かけ上の画素を大きくして感度を上げ、比較的暗い現象でも高速度撮影が可能であるとか、
   ・ダブルシャッタ機能でPIVという流体関係の撮影に適している
などの特徴があります。
ですが、なんといっても、コンパクトで取扱いが良い、というのがこのカメラの特徴です。
 
 
 
 
   
   【高速度カメラの構成品】
カメラ本体 ICメモリ内蔵です。これだけですべての回路が入っていて、パソコンにつなくだけで高速度撮影が可能です。
レンズ Cマウントレンズが使えます。フル画像での撮影ではニッコールレンズがお奨めです。
パーソナルコンピュータ   WindowsXPがお奨めです。Macintosh OSXも使用できます。通信はUSB2.0(もしくは、イーサネット)で行います。
USBケーブル カメラへの制御、画像のダウンロードを行います。カメラ側のコネクタが特殊なので、一般のUSBケーブルは使えません。専用のケーブルをお使い下さい。長さは5mです。

Ethernetケーブル: Pro-Xシリーズのカメラでは、イーサネットでの操作が可能となりました。

電源 AC100V入力で黒い箱がDC電源を作る所です。ACコードは一般的なものです。このACコードとDC電源で構成されています。
上の写真が撮影のための機材です。
 
この他に、
三脚 (カメラを取り付けるもの)
照明装置 (高速度カメラは光を必要とするので明るい光源が必要です)
トリガー信号及びBNCケーブル  (ICメモリタイプのカメラは数秒程度の記録しかできませんので、
記録時間内にタイミングよく撮りたい現象を記録する必要上、トリガのための電気信号を使うことがあります。)
が必要です。
 
上の写真は、小さな三脚に取り付けたMotionPro HS 高速度カメラ。
 
   
    
    
   【カメラの大きさ】
   
 
カメラは、小型コンパクト。
サイズは、96mmx96mm角で167mm長、重さは1900gです。
左の本体だけで、センサー部、センサー駆動回路、メモリ部、電源部、パソコン通信部、トリガ入出力
すべてパッケージングされています。
左写真の左端がレンズ部、すなわちカメラ前面部です。
レンズマウントは“C"マウントです。手の大きさでカメラの大きさを判断下さい。
右写真が、カメラの背面部です。電源、通信、トリガの入出力を受け持ちます。
カメラ設定、画像のダウンロードなどUSB2.0 (もしくはイーサネット)一本で行います。
   
   
   【カメラの取付ネジ穴】
  
 
カメラの側面。このレイアウトは4面全部一緒です。
つまり、真ん中にカメラネジ(1/4インチUNCと3/8インチUNC)が
それぞれ4面同じ位置に配置されていて、
どの位置でも三脚に固定できるようになっています。
カメラネジのレイアウトは、このカメラのユニークな所です。
   
 
  
  
  
 
 
 

■ カメラをセットアップしよう (2004.11.18)(2004.12.05追記)

 実際にカメラをセットし撮影をしてみましょう。
 

■ 被写体の選択

 まず、被写体の選択です。
本来は、この被写体が最初にあって、その被写体に対してカメラをセットするわけですが、今回は高速度カメラの使い方がメインですから、簡単なものを選びます。
 被写体に風船を準備してみました。
風船に水を入れて、これを少々高い所から落としてその挙動を見てみようと言うものです。
風船の大きさは、150mm程度の大きさです。これを1メートルほどの高さからクッションを引いた机の上に自然落下させました。
 
 
  
 
被写体:水を入れた風船(左)、MotionPro HSで撮影した動画像(QuickTime)
撮影速度は、500コマ/秒。
動画像は、サーバーの容量を軽減するため、画素を落とし高い圧縮率をかけてあります。雰囲気だけつかんで下さい。
 
MotionPro HSで撮影したサンプル画像の抜粋です。
本来は512x512画素ですが、3枚を並べきれないので250x336画素に切り出して、
これに圧縮及び縮小を施して表示しています。
水を入れた風船が自然落下する瞬間(左)
クッションに着地して収縮する様子(中)
つぶれた瞬間(右)
撮影条件: レンズ Nikkorf55mmF2.8
露出時間: 40us(1/25,000秒)
撮影速度: 500コマ/秒
 
 
 

■ カメラの取付

 カメラを取り付けます。カメラには、カメラ側面4方向にカメラネジが開けられています。カメラ三脚でカメラを取り付けるのがもっともてっとり早いのですが、実験機器に取り付けたい場合は、ネジ屋さんでインチネジを購入し、このネジを使ってカメラを取り付けます。出入りのネジ屋さんで、六角ボルト1/4インチUNC(UNC1/4-20)で首下10-15mm程度のものを購入します。東急ハンズのネジ売り場では1/4インチのネジを売っています。秋葉原のネジ屋さんでも入手できます。
 実験装置にカメラを取り付ける場合は、実験装置側にφ7mm程度のバカ穴を空けて、購入した六角ボルトでカメラを固定します。
 1/4インチのネジは、メトリックネジのM6に極めて似ています。インチネジのほうが0.35mmほど太く、ネジ山も少し粗目です。1インチ当たり20山ですからネジピッチは1.27mmです。M6のネジピッチは1mmでインチネジより細かいネジ山になっています。
 ネジは、頭の種類によって六角ボルトの他に、六角穴付ボルト(キャップボルト)、ナベ( + )ネジ、サラネジなどがあります。締め付け力の点から六角ボルトがお奨めです。六角穴付ボルトが一番しっかり締め付けることができますが、締め付けるために、インチ用の六角レンチを用意しておかなければなりません。左上のネジは、ネジを手で回せるようにプラスチックのノブを取り付けたものです。簡単な取付には工具を必要とせず便利です。ネジは、ステンレス製、鉄製、アルミ製などがありますが、重量物の固定ですからステンレスか鉄製を選びます。ステンレスは少々高価ではあるものの、錆びないので、湿気の多い実験室や屋外での実験ではステンレス製のネジがお奨めです。

■ レンズの取付け

 レンズをカメラに取り付けます。レンズを取り付けるレンズマウントは、"C"マウントと呼ばれるネジ式になっています。レンズのネジを痛めぬように注意を払い、レンズとカメラ前面部を垂直にして、斜めから入れないようにゆっくりと回します。ネジがマウントに入って、軽く回してレンズがカメラマウントに入っていくようでしたらそのままレンズを回してレンズのフランジ部がカメラマウントに当たる所まで回します。レンズを回す際にきつい感じがする場合は、ネジ山が痛んでいるか、カメラマウント穴が痛んでいるか、ネジ部に異物が付着していることが考えられます。無理をせず、逆回転させて取り外し、ネジ山部を丹念に見て下さい。異常があれば、このレンズの使用は止め、修理に出すか、他のレンズを使用下さい。
 
 Cマウントレンズは小型ですので、撮像素子が大きいカメラでは画面周辺部まで像をカバーできません。撮像素子全域をカバーするにはもう少し大きなレンズが必要で、この目的のために35mm一眼レフカメラのレンズがよく使われます。その中でもニコンが作っているニッコール(Nikkor)レンズは良く使われています。
 テレビカメラや計測用のカメラは、なぜ"C"マウントなのでしょう? もっと便利なマウントがあってもよさそうなものです。Cマウントレンズは、実はとても古い規格です。今から60年くらい前の規格です。映画カメラが進歩していた時期、35mm巾のフィルムが高価なのでアマチュア向けに16mm巾のフィルムができそれに併せてカメラが作られました。そのカメラ用のレンズマウントがCマウントだったのです。ですから、Cマウントは、穴の径が1インチ(25.4mm)で、そこに1インチ当たり32山のネジが切られています。この映画用のレンズマウント、けっして使い勝手が良いとはいえないスクリューマウントが現在もまだ生き残っているのは妙なものです。こと小型カメラのレンズマウントに限っては進化が起きなかったようです
 
    
 
左がカメラ側の"C"マウント。Cマウントは、60年以上も前に設計されたもので、φ1インチ32山のネジで作られています。
右がレンズ側のCマウント。カメラ側のねじ切り加工によっては、レンズのフォーカス表示位置、絞りの指標位置がカメラの真上で止まらないこないことがあります。
  
  
  
 
Nikkorレンズを装着する場合は、ニッコールレンズとカメラの間にF-Cマウントアダプタ(右写真)を取り付けます。
写真中央のF-Cマウントアダプタは製造を中止してしまいました。
アンフィで新しく頑丈なF-Cマウントアダプタを製作しました。(2005.05.15)(2007.11.21追記)
長いレンズ(焦点距離の長い大きなレンズ)では、しっかりしたF-Cマウントアダプタを使う必要があります。
Nikkorレンズのマウントは、Fマウントとも呼ばれています。40年ほどの歴史があります。
このレンズは、バヨネットマウント方式でワンタッチでカメラに取り付けられます。
    
  
レンズ: レンズは、カメラ撮影に大切なものです。
レンズには、
フォーカスを調整する機構
レンズの絞りを調整する機構
ズームレンズでは、ズーミングをする機能
があり、この3つの機構部より成り立っています。
 レンズに刻印されている数字は、フォーカス時の目安になる撮影距離の表示と、絞りの値です。絞りの値は、数値が小さいほど絞りが働かず開放となり、たくさんの光をカメラに送り込みます。
 絞りの値は、√2の等比数値で、1、1.4、2、2.8・・・となっています。√2倍で光量が1/2倍になります。
 レンズの周り(鏡筒)の中心部はレンズ(光学ガラス)で構成されています。レンズがたくさんのレンズ群で構成されているのは、レンズの収差を抑えて明るいレンズを作るために複数のレンズエレメントを組み合わせて収差を補うためです。レンズ部は傷つきやすく、湿気によってカビが発生しやすいので注意して扱って下さい。
  
 

■ 電源ケーブルの取付

 カメラに電源コードを接続します。
 カメラは、DC電源(24VDC、3A、従って消費電力は最大72W)で動きます。一般の商用電源は、交流電源(AC100V)ですので、附属のACアダプターを使ってDC電源に直して、カメラに電源を供給します。
 カメラの電源を受け入れるレセプタクルは、Lemoと呼ばれるワンタッチ式のものです。附属のACアダプターは、Lemoの相方(あいかた)のコネクタなので、カメラレセプタクルの挿入位置を確認して(赤いドットを合わせるようにして - 右写真参照)、差し込めるまで差し込みます。差し込む際に軽いクリック感があるので挿入の確認ができます。
 電源ケーブルの接続が終わり、次に示すUSB2.0ケーブルの結線が終わったら、カメラ背面の「Power」スイッチをONにして下さい。スイッチをONにするとスイッチの表示灯が赤く点灯します(右写真参照、右図は古いタイプのHSシリーズカメラの背面パネルですが、コネクタは同じです)。

■ USBの取付

 パソコンとの通信を行う命綱です。カメラとパソコンへの接続は、市販されているUSBケーブルは使えません。カメラ側がLemoコネクタになっているからです。一般のケーブルだと接続がルーズで外れやすいのを考慮して簡単には引き抜けない(ラッチ構造になった)Lemoコネクタにわざわざ代えています。初期タイプは一般のUSBコネクタでした。カメラを離れた位置で使っていてUSBケーブルが外れた経験をもとに、高価なLemoコネクタに換えました。
 本カメラにはUSB2.0タイプが採用されています。USB2.0タイプは高速通信を行うものです。通信速度は、480MB/sです。このスピードは、IEEE1394a(FireWire)より1.2倍も速いものです。この恩恵によりカメラからのライブ画像をパソコンで確認でき、カメラに蓄えられた画像をパソコンに高速でダウンロードできます。
私のテストでは、カメラ内にある画像データをAVIファイル形式で500枚を保存する際、25秒でダウンロードできました。
この500枚は、白黒画像で512x512画素です。容量は127MBですから、1秒間に5MB(40Mbps)の転送を行った計算になります。USBの性能の約1/12倍の速度です。イーサネットでも性能の100%の速度で転送することはまずなく、1/10程度が普通ですからまずまずの性能です。
8,000枚分の2GBをAVIで転送するのには、7分30秒かかりました。少量転送の場合より総合的に遅くなりました。
使用したパソコンが、ノートパソコンのDellのLattitudeD600というそれほど速くはないパソコンで取り込んだので、大容量の転送にはハードディスクへの保存割り当てに少し時間がかかっているのかもしれません。
2GBの転送はさすがにタフな仕事です。
しかし、512x512画素500枚を25秒で転送する性能なら、通常の研究室レベルで使う分にはストレスのないデータ転送です。
USB2.0も高速だなと思いました。
高速度カメラのピント合わせや、トリガ信号を待っている間のモニタリングもUSB2.0インターフェースを介してパソコンでモニタリングできます。撮影後の画像の確認もUSB2.0を介してパソコンで見ることができます。
 USBケーブルの接続は、カメラを操作する前、及び、カメラ操作ソフトウェアを立ち上げる前に接続して下さい。電源と同じLemoコネクタが使われています。カメラ専用のUSBケーブルは一般のUSBコネクタとコネクタ形状が違うので、ケーブルは無くさないように管理して使用して下さい。
注意!)パソコンに操作ソフトウェア(MotionPro X Studio)を初めてインストールする時は、カメラとの接続はせずに、インストールが終わった後にUSBケーブルを接続して下さい。これは、多くのUSB周辺機器装置の接続と同じです。
 USB(Universal Serial Bus)インターフェースは、とてもよくできた通信制御手段で、接続した機器に電源まで供給してくれます。もっとも今回の高速度カメラのように70W max. という大容量の電源は供給できませんから、カメラへは別系統で電源を供給しています(USBの規格では、4.4Vで0.11Aまで、つまり0.5W程度までの電力を供給します。LED程度なら10個程度を問題なく光らせる事が可能です)。
 また、USBは、カメラやパソコンがどのような状況でもケーブルの抜き差しができる(これをホットプラグと言う)優れた性能を持っています。しかし、当然の事ながら、カメラの操作中や画像データのダウンロード時にはケーブルは取り外せません。ケーブルの抜き差しはいやが上にも慎重に行って下さい。
 ケーブル長さは、最大15mまで可能です。標準のケーブルは5mですのでそれ以上延長されたい場合には、附属のリピータを使ってケーブルを延長します。
 パソコンに操作ソフトウェア(MotionPro X-Studio)がインストールされ、カメラに電源が入っていて、そして、USBケーブルが正しく挿入されていればカメラ操作のための準備は完了です。
 
データ通信のインターフェースについて: (2007.06.25追記)

大量のデータを送信する場合に、パソコンでは、イーサネット、IEEE1394、USB2.0があります。それぞれどんな特徴があるのでしょうか。私は以下のように位置づけています。 

■ イーサネット: ネットワークでは一番信頼性が高い方式。複数台の機器を使って高速通信する場合にストレスなく相互通信が行える。現在は、100Base-Tから1000Base-Tに移行しつつあり、転送では他の二つよりも倍以上の能力を持つ。ケーブル長も100m以内ならばHubがいらず長距離転送に適している。

■ IEEE1394: 周辺機器と1対1での転送に効果的な通信方式。ビデオ装置とかDVD装置などの接続に多く利用されている。転送速度は400Mbps(IEEE1394a)。今やUSB2.0よりも遅くなってしまい、USBの後塵を拝している感じを受ける(IEEE1394bでは1600Mbpsと速くなっている)。1対1で使うことが多いのでこの応用に関してだけは使い道があると思われる。HDDやデジカメ、ビデオカメラの通信に使われている。通信距離は、基本的に7m。リピータで21m程度まで延長可能。

■ USB2.0: 多目的に使われる通信方式。マウスなどの低速からデータ通信の交信まで幅広い応用に活躍し、USBハブを使えば127種類の機器を接続することが可能。USB2.0の通信速度は480Mbpsで、高速通信を目的に作られたIEEE1394aを抜いてしまった。USBの問題は、たくさんの機器を接続するために通信上の安定性が損なわれたりスピードが遅くなったり、末端に接続した機器の認識が不安定になったりする。パーソナルユースでは使いやすいが基幹ユースではお奨めできない。通信距離は、基本的に7m。リピータで21m程度まで延長可能。

■ CameraLink: 計測カメラ用に開発された高速デジタル画像データ通信インターフェース。計測カメラで、2004年あたりから本格的に使われるようになった。計測カメラで使われていたLVDS規格を使いやすいように進化させたもので、1.93Gbpsの通信速度を持つ。速度的にはイーサネット通信以上の速さを持つ。使用するコンピュータには、PCI-Express対応のCameraLinkボードが必要。ケーブル長さは10m推奨。それ以上はリピータを用いるが、長距離転送はできず、光ファイバーなどの変換装置が必要。

 
 
 

■ 画像データの記録(ICメモリ)

この高速度カメラは、カメラ本体にRAMメモリが内蔵されていて、高速撮影によって得られる画像データをカメラ内蔵のRAMメモリにため込む方式を取っています。パソコンのRAMメモリは、こと撮影に関しては使用していません。なぜパソコンのRAMを使わないかというと、カメラとパソコンの間は、USBでしかつながれておらず、USBの480Mbpsでは、高速度撮影した膨大な画像データを高速で転送できないからです。
 また、カメラ内部の記録媒体になぜRAMメモリを使うかと言うと、現行のメディアの中で、RAMメモリに記録する方式が一番速いからです。最近は、HDDに直接書き込む方式もありますが、速度的にはRAMメモリの方が速く書き込むことができます。その他、CDやDVD、デジタルビデオテープなどのメディアがありますが、いずれも記録速度の関係上高速データを直接書き込むまでには至っていません。RAMメモリ(ICメモリ)は、高速でのデータ読み込みが得意な反面、データ容量が少ない、ダイナミックRAMメモリ方式のため電源が落ちるとデータが消失してしまう欠点があります。カメラ本体には、標準で2GB(ギガバイト)のメモリが搭載されています。
 このメモリでどのくらいの枚数の画像が取り込めるかというと、撮影記録枚数は1画面を構成する画素数によって決まります。
例えば、1280x1024画素の画像を考えてみましょう。デジタル画像は、画面を横1280、縦1024という具合に分割してドットのような画面にしますから、ドット数は、1,310,72ドットになります。約130万画素です。この画素の1つのドットに濃淡情報があてがわれ、この濃淡が256階調、つまり8ビット=1バイトであればドットの数と同じバイト数、130万バイト(1.3Mバイト)が1枚の画像容量になるわけです。
 
記録枚数 = カメラに搭載されたメモリ容量 / (撮影画像の画素数 = 縦の画素 x 横の画素)  ・・・ (1)
 この式から、1GB(1,073,741,824)のメモリに保存できる1280x1024画素の画像を計算すると、
 
    230 / 1.310 x 106 = 819 枚
 
819枚の画像が記録できることになります。カメラが毎秒500枚の撮影を行ったとすると、1.63秒間の撮影ができることになります。
撮影したい現象の記録時間とカメラのメモリ容量、撮影速度、画像画素サイズを十分に吟味してこれらの設定を行う必要があります。
 

■ トリガ信号の接続

 カメラにICメモリを使っている関係上、そしてそのメモリの要領が2GBとか4GBの有限容量であるため、画像データを録画するに当たっては、タイミング良く撮影を完了しなければなりません。この時に必要になってくるのが、トリガ(Trigger)信号と呼ばれるものです。トリガ信号によって、メモリ内の古いデータを消して新しいデータを書き込み続けるループ録画をストップさせることができます。
 トリガ入力には、パソコンの操作ソフトウェアの「Trigger」ボタンを押すやり方と、カメラへBNCケーブル経由で電気信号を入れるやり方の2種類があります。パソコンのマウスからトリガを入れる方法は手動ですから応答が悪く、どんなに頑張っても0.1秒〜0.2秒の遅れがあり、USBを経由してパソコンが認識してカメラにトリガを送るまでを考慮すると0.5秒程度の遅れは覚悟しなければなりません。
 電気信号でのトリガ信号は、サブマイクロ秒での応答が可能です。トリガ信号として受け付ける電気信号は、0→5Vの立ち上がり信号、5V→0の立ち下がり信号と、メカニカルスイッチ、リレー接点、オープンコレクタ出力などの無電圧接点を受け付けます。
 電気的な信号をカメラに送るには、少しばかりの電気的な知識が必要です。例えば、光に反応してトリガ信号を作りたい場合は光センサーを作らなければなりません。電気的に現象を起こす場合には現象と同じタイミングでカメラにトリガ信号を送らなければなりません。
 
■ その他の機能
★ イーサネット通信:
カメラ操作を行う通信手段が、USB2.0に加え、ギガイーサネット通信もオプションで可能です。ネットワーク環境でカメラを使いたい場合に便利です。USB2.0ではケーブルが15mまでしか伸ばせない問題がありましたが、イーサネットの機能が追加されたことにより、遠く離れた所にカメラを置いて撮影できるようになりました。イーサネット機能はオプションで、標準はUSB2.0通信です。発注時にイーサネット機能を追加することにより上図右の背面パネルのようなイーサネットジャックが追加されます。
 
★ ビデオ信号出力:
カメラの操作およびライブ画像のモニタはすべてパソコンの画面で行うのが従来からのカメラの基本でしたが、MotonPro XシリーズからからNTSCアナログビデオ信号出力が追加されました。カメラ背面パネルの「LIVE OUT」(BNCコネクタ)からビデオ出力が常時出ていますので、液晶モニタなどを使ってカメラの近くで画像をモニタすることができます。
 
★ IRIG-B同期機能:
宇宙開発などの大規模な試験では、数百メートルに渡って高速度カメラが装備されます。このような実験現場では絶対時間による計測装置の運用が不可欠になります。IRIG-Bは、レンジ(Range = 射場)での計時システムで使われている時間クロックです。この機能をカメラに付加することにより、カメラがどの時間で撮影されたのかを特定することができるようになります。
 
★ 簡易PDAを用いた運用
本カメラには、WirelessLANによるPDA装置の通信機能がついています。PDAを使って無線でカメラ画像をモニタすることができます。また、全世界で使われているiPodに動画像を送ることができますのでiPodを用いて、カメラで得た画像をコンパクトに取り込んで簡易に画像を読み出して見ることができます。
 
 
 
 
 
 
 

■ 高速度カメラの基礎用語

 高速度カメラでの撮影には、2、3の知っておかなければならない基礎用語があります。これらの言葉を理解することで高速度カメラ撮影知識がぐっと深まります。
詳細をお知りになりたい方は、Anfoword - 『高速度カメラ入門Q&A』 、及び 『光と光の記録』 を参照下さい。
 
▲ 撮影速度(Framing Rate)
1秒間に撮影できる画像の枚数を示し、単位はコマ/秒で表します。英語は、fps(frames per second)、pps(pictures per second)という言い方をし、まれにHz(Hertz)という周波数で示されることもあります。 → 参考:高速度カメラ入門Q&A「撮影速度」
 
▲ 露出時間(Exposure Time)
撮影される画像の一枚当たりの露光時間で、単位は秒です。露出時間は撮影速度間隔よりも長く取ることはできず、例えば、1,000コマ/秒の撮影では、1/1,000秒が設定できる最大露出時間となります。通常は、画像の転送などがあって、この動作に3-5マイクロ秒かかるため、1,000コマ/秒撮影時の最大露出時間は、1/1000秒 - 5us = 995 usとなります。最小露出時間は、カメラの電子シャッタ機構によって異なりますが、1usから10us程度です。電子シャッタを使わずに外部の瞬間光源(ストロボ、LED、パルスレーザ、液晶シャッタ)を使ってシャッタを施すものもあります。
(撮影速度と露出時間の関係は、よく質問される用語です。初めてカメラを学ぶ人には、この相互関係がしっかりと飲み込めないようです。みなさんは、お手もとにデジカメをお持ちですから、デジカメで話をしますと、風景写真を撮るとき、1時間に10枚の写真を撮ったとすると、10コマ/時間が撮影速度になります。1枚の写真を撮るときには必ずシャッタを切りますから、このシャッタを切る時間がシャッタ速度 = 露出時間となります。風景写真も、次の写真を撮るまでにはシャッタを閉じなければなりません。シャッタを長く開けるとカメラが動いたり被写体が動いて像が流れてボケタ像になってしまいます。)
 
▲ 電子シャッタ(Electronic Shuttering)
固体撮像素子で有名になった言葉で、撮像素子内部で希望する時間だけを露光する機構です。現在のCCDカメラ、CMOSカメラにほとんど採用されている方式です。初期の頃のCCDカメラにはこの機能はありませんでした。CMOSカメラは原理的に電子シャッタが不可能とまで言われていました。固体撮像素子の前の撮像管にも電子シャッタ機能はありませんでした。
電子シャッタがどのようなしくみかと言うと、素子の受光部に絶えずリフレッシュゲート信号が与えられて受光して起電した電荷をドレイン部に掃き出して受光部を絶えず身綺麗にし、設定された露出時間になると、掃き出しを止めて光を蓄え、露出時間経過に、一気に蓄積部(もしくは転送部)に起電した電荷を渡します。このような仕組みによって素子でのシャッタリングが可能になりました。露出時間は、1/撮影速度〜1usまでの設定が1us単位で設定できます。
 前にも述べましたけれども、古いタイプのCMOSカメラやフレームトランスファタイプのCCDカメラ、それに最近話題の高感度素子のIMPACTONタイプのCCDカメラには、ドレイン部への掃き出し操作機能がなく、蓄積部(転送部)もないため、電子シャッタ機能がありません。
 
▲ グローバルシャッタ(Global shutter)
CMOSタイプのカメラに採用されている電子シャッタ機構です。歴史的に見てみますと、CMOS撮像素子は素子毎に時間の遅れたシャッタリング機能があり、これをローリングシャッタと言っていました。この方式だと画素の取り出し初めと終わりでは1/撮影速度分の遅れができてしまい、その時間差で現象が推移すると画像が歪んでしまう不具合が生じていました。1画面を構成する画素全体に渡って電子的に一斉にシャッタを切る方式が考え出され、これをグローバルシャッタと呼ぶようになりました。グローバルシャッタでは、1画素内に光を受光するホトダイオード部と受光を蓄えるメモリ部の二つがあるので、受光部は小さくならざるをえません
 
▲ CMOS固体撮像素子(CMOS solid state imageing device)
CCD素子と並んで固体撮像素子の代名詞ともなっている素子です。開発はCCDと同じく1970年代に発表されしたが、製品の完成度はCCDが先行しました。画質がCCDに比べ芳しくなかったのです。しかし、消費電力が少ないことや、素子の中の希望するエリアを選んで撮影できること、高速サンプリングできることから、1990年頃より高速度カメラではよく使われてきた素子です。2000年になると画質が向上し、グローバルシャッタが発明され、高画素・高速化が進んだので高速度カメラのほとんどがこのタイプの素子を使うようになりました。 → 参考:光と光の記録「CMOS固体撮像素子」
 
▲ CCD固体撮像素子(CCD solid state imageing device)
固体撮像素子の代名詞ともなっている素子です。開発は1970年代。ソニーが実用化に向けて大きな貢献を果たし、1990年代はCCDカメラ全盛でした。非常にたくさんのタイプの素子が開発されました。高速度カメラ用としては1,000コマ/秒程度の低速度のカメラに採用されて来ました。Kodak Ektapro HRC、Roper CR2000(1994〜2002年)に代表されるような電子シャッタが内蔵され発色が良いのが特徴でした。現在でも濃度精度の高い画像計測、例えば、天体観測、顕微鏡観察、微弱光検出、位置計測などの分野では未だにCCDカメラの方が優位に立って活躍しています。 → 参考:光と光の記録「CCD固体撮像素子」
 
▲ 単板式カラーフィルタ(color filter)撮像素子
カラーカメラの初期の頃は、R.G.B.の3種類の撮像素子をあてがってカラー画像を取り込んでいました。1960年代後半、kodakのBayer博士が色フィルタ方式によるカラー合成手法を開発し、特許を取得しました。この手法をCCD、CMOSカメラに応用し、1つの撮像素子でカラー情報を得るようにしたのが単板式カラーフィルター方式カメラです。この方式は、撮像素子にモザイク状に配したRGBのカラーフィルタを被せて9つの画素からマトリクス演算によって仮想画素のカラー画像を得ています。こうして得たカラー画像フォーマットは、開発者の名前にちなんでBayer(ベイヤー)フォーマットと呼がれています。単板式カラー画像では、RGBの特許(Bayerフォーマット)を免れるために、YMCフィルタを使ったカメラも開発されました。
いずれにせよ、1枚の撮像素子にモザイク状のカラーフィルタを貼り付けて、マトリクス計算によりカラー画像を作り出す素子を単板式カラーフィルタ撮像素子と言っています。構造が簡単で(後処理で色付けけするのは大変ですけど)、高価な素子1枚でカメラができあがることから、世の中のほとんどのカラーカメラがこの方式となり、放送局用とか高価なカメラに3CCD方式のカメラが残るに過ぎなくなりました。  → 参考:光と光の記録「カラーフィルタ方式」
 
▲ 画素(Pixel)  
撮像素子は、画素(Pixel=ピクセル)と呼ばれる画像エレメントの集合体で構成されています。1280x1024画素とは、横1280個、縦1024個の画素配列を持ち、合わせて1,310,720個の画素エレメントで撮像素子が配列されることを示します。一般的に、画素が多いほどきめこまやかな画像が期待できます。  → 参考:高速度カメラ入門Q&A「固体撮像素子の性能を決めるもの」
 
▲ 画素サイズ(Pixel Size)
1画素の大きさです。MotionPro HSカメラは、2種類の撮像素子を使っていて、その一つの画素サイズは12um x 12umで、もう一つのタイプは16um x 16um です。画素サイズに画素数を掛け合わせると撮像素子の大きさ(イメージサイズ)が求まります。Pro-X3というカメラは、12um x 12um の画素サイズを使っていて1280x1024画素ですので、
   (12um x 1280) x (12um x 1024) = 15.36mm x 12.288mm
がイメージサイズとなります。
HS-4のカメラは、512 x 512 画素で16um x 16umの画素サイズですので、
   (16um x 512) x (16um x 512) = 8.192mm x 8.192mm
となります。
 
▲ イメージサイズ(Image Size)
撮像素子の大きさを示します。一般に撮像素子の大きさは、インチサイズで示され、
   1インチサイズ = 12.7mm x 9.6mm
   2/3インチサイズ = 8.8mm x 6.6mm
   1/3インチサイズ = 4.8mm x 3.6mm
   1/4インチサイズ = 3.69mm x 2.77mm
   1/5インチサイズ = 2.95mm x 2.21mm
となります。傾向としては、画素サイズはどんどん小さくなる傾向にあります。理由は製造上の都合が大きく、小さい素子は一つのウェハーでたくさん作ることができて安くすることができるからです。小さくても性能が良いならコンパクトになるし、消費電力も少ないからユーザ側でも受け入れてくれるだろうという期待も込められています。素子が小さくなることによって、感度が犠牲になり、それに加えより高性能なレンズが求められています。
 高速度カメラなどの計測用として使うカメラは、露光時間を短く切るために多くの光を必要とします。このためカメラには、感度が要求されるめに比較的大きな撮像素子が使われます。したがって、これらのカメラには価格が高くなることにあえて目をつむり、大きな画素で大きなイメージサイズのもの素子を採用する傾向にあります。
 
▲ 8ビット、10ビット、12ビット、16ビット(pixel depth 8bit, 10bit, 12bit, 16bit)
画像の濃度階調を示す単位です。通常の画像は、白黒で256階調を持たせているものが多く、この場合のデジタル階調は8ビット = 1バイトとなります。256階調としたのは、1画素1バイトとして割り当てられるためメモリ管理が行いやすいためです。カメラの中には、濃度方向に性能の良いものがあり、1,000階調が得られる10ビット濃度、4,096階調の12ビット、65,000階調の16ビットをもつものがあります。階調の多いカメラは、ノイズを抑えるため読み出しをゆっくりと行い、かつ、素子を一定の温度に管理した冷却CCDが主流です。CMOS素子は、原理的にS/Nが良くないですが、それでも高速度カメラで10ビットの濃度を確保できるようになりました。
 
▲ ビンニング(Binning)
撮像素子の素子数をまとめて一つの画素に見立てることをビンニング、またはビニングと言います。もともとは数学の統計用語から来たようで、グループ分けという意味で使われています。統計処理をする際、年代別に分けるとか、時間別に分けるとか言う場合にこの言葉が使われています。画像では、例えば、1280x1024画素の素子があるとして、これを2x2のビンニングを施すという場合、2 x 2 = 4 画素を一つの見かけ画素にして、640 x 512画素の素子と見なします。画素数は減りますが、1画素当たりのサイズが大きくなり、それだけたくさんの受光電荷を取ることができるため、見かけの感度が上がりS/N比も向上します。ビンニングは、正方形での処理が多く、2x2、3x3、4x4程度が多いようです。
 
▲ TIFFファイル(てぃふ)、JPEGファイル(じぇいぺぐ)、AVIファイル(えいぶいあい)
 画像を保存する際の、画像フォーマットです。文書を保存する場合、WORDで作成した文書であれば.docとい拡張子でワードフォーマットで保存されますし、エクセルなら.xlsの拡張子でエクセルフォーマットで保存されます。保存形式がわかった方が管理がしやすいのです。画像を保存する形式には大きく分けて、一枚の画像形式で保存する場合と、動画として保存する場合の二通りがあり、それぞれに対して規格化されたファイルフォーマットがあります。
 計測分野でよく使う画像ファイルフォーマットが上に挙げたフォーマットです。
 
 TIFFファイルは、Tagged Image Tile Formatの略で、歴史のある画像ファイルです。拡張子は.tifです。元々はスキャナーの取り込んだデータフォーマットとして1986年に米国Aldus社(DTPソフト『PageMaker』で有名な会社でした。現在はAdobe社に吸収されました)が開発し、MS-DOS が採用したことから一般的になりました。画像ファイルにデータ部を書き込めるヘッダ部を自由に作ることができるので、実験データやカメラデータ、計測データを入れ込むことが可能です。初期の頃は、規格が曖昧だったためいろいろな方言ができて、TIFFファイルが別のアプリケーションソフトで読めないことがありましたが、大分整理されそういう不具合がなくなりました。ヘッダ部が自由に使えるという機能が受け入れられて、現在でも計測関係ではよく使われているフォーマットです。基本的に圧縮されないので、ビットマップ形式の画像ファイルとなり、ファイル容量は、画素数分と色情報、それにデータ成分の合計したファイル容量となります。
 TIFFファイルは、細かな取り決めがなく自由にフォーマットが組めたので、いろいろな種類のTIFFファイルが存在し一時期ソフトウェア相互で互換性がない問題が生じました。最近ではそれも収まって、たいていのソフトウェアでは、互換性が高く画像データを読み込むことができるようになりました。ただ、画像に組み込まれたデータは、そのフォーマットがわかっていないとデータを読み出すことはできません。
 
 JPEGファイルは、Joint Photographic Expert Groupの略で、画像に圧縮をかけてファイルの容量を小さくした画像ファイルです。拡張子は、.jpgです。最近の画像ファイルでは一番よく使われているフォーマットです。画像を8x8画素のブロックに細分化し、そのブロック内で周波数の高い成分を除去して圧縮をかけます。したがって、最大8x8画素が1つの情報に収束してしまう場合、圧縮は1/64となります。つまり、JPEGでの最大圧縮は1/64で、この時の画質は画素の1/8x1/8となります。このタイプの圧縮画像は、一度圧縮したら元の非圧縮画像に戻すことのできない非可逆圧縮と呼ばれているもので、圧縮をかけて保存する場合、細心の注意が必要です。圧縮を解除しても元の画像に復帰できる可逆性圧縮のファイルには、GIFファイル(.gif)、PNGファイル(.png)があります。
 
 AVIファイルは、Audio Video Interleaveの略で、動画ファイルです。拡張子は.aviです。マイクロソフトが1992年(12年前)にBMPファイル(ビットマップファイル)の動画付けをしたファイルがこの形式だったので急速な普及を見ました。シンプルな構造でこの画像ファイルを使ったソフトも作りやすかったのですが、1997年にマイクロソフトがサポートを中止したので、今や一人歩きのような形になってしましました。映画界やDVDなどの動画業界がMPEGファイルに移行する中、計測分野では今なお使われている動画ファイルです。1992年開発当時は、現在のような動画の普及など考えもできなかったので、AVIファイルの画像ファイルサイズには2GBという制限が残っています。大きなファイルは扱えないのです。1997年以降は、AVIファイルは単なる箱に過ぎなくなり、いろいろな画像ソフト開発メーカが箱に属性(codec = コーデック)をつけて圧縮機能を持ったAVIファイルを作るようになりました。2GBの壁を破るAVIも作られるようになりました。従って一口にAVIファイルと言ってもたくさんの種類のAVIファイルが存在するようになり、使用するパソコンにcodecがインストールされていない場合、画像ファイルを読み出せないという不具合がでるようになりました。
 
 画像ファイルは、このほかに、BMPファイル、PNGファイル、GIFファイル、PICTファイル、QuickTimeファイル、MJPEGファイル、MPEGファイルなどがあります。詳細は、高速度カメラ入門Q&A「画像ファイルはどのような形式があるの?」を参考にして下さい。
 
▲ 撮影枚数(Number of recording frames)
 記録媒体に録画できる枚数を示します。通常のビデオカメラは、30コマ/秒で撮影することが多く、記録媒体にテープを使っているので60分とか120分の記録時間で表すことが多いのですが、高速度カメラでは撮影速度が可変で長時間録画が難しいので、撮影枚数で言い表します。撮影枚数は、搭載されているICメモリの容量と1枚の画像サイズの割り算で決まります。
 
  撮影枚数 = メモリ容量 / 一枚の画像サイズ
       撮影枚数 = 枚
       メモリ容量: バイト(=8ビット)
       一枚の画像サイズ: バイト/枚
 
例えば、1Mバイト(1,000x1,000画素、1バイト/画素)の画像では、上の式より1GBのメモリに1,000枚の撮影枚数を保存することができます。
 得られた画像をJPEGなどの圧縮画像にすれば同じメモリでも撮影枚数が増えるのではないかと考えられますが、ほとんどの高速度カメラでは撮影時の取り込みが忙しくて、撮影の最中に圧縮処理してメモリに入れるという処理が行えず、取り込んだ画像をそのままメモリに放り込んでいます。カラー化したり、圧縮画像として保存するのは撮影した後でゆっくりと行っています。
▲ トリガ(Trigger)
 撮影を停止するための電気信号、およびそのためのコンピュータ操作の事を『トリガ』と言います。まれにファイア(Fire)信号とも言います。ファイアという言い方は、エンジン燃焼の点火信号や、爆発実験関係で使われる言葉です。Fire信号は、危険を伴う実験の現象起動信号なのでしっかりとした電気を流すことが多く、5Ωで50V、すなわち10Aの電流を流すことが多く、通常のトリガ信号という概念とちょっと違います。しっかりした信号とは、静電気やノイズなどでは信号がかからないくらいの電圧も電流もノイズマージンから離れた仕様のものです。トリガ信号という言葉は、デジタルオシロやデジタルデータレコーダでも使われている用語で、データ収録を行う際の開始もしくは終了ポイントを言います。ICメモリを使った録画では、数秒しか高速度撮影ができないためその時間帯域にほしい現象を収めなければなりません。ICメモリに撮像素子からの画像データを連続して取り込んで、トリガ信号を待ちながらその信号で録画を終了するというものです。
 
【トリガポイント】
 トリガポイントは、任意に指定することができ、例えば500枚の枚数を録画枚数として指定し、トリガポイントを1枚目と指定すれば、カメラはトリガ信号が入った時点から撮影を開始して500枚撮影して終了します。トリガポイントが最初の場合をスタートトリガと言います。
 トリガポイントを250枚目にセットすれば、トリガ信号が入った時点より時間的に遡って1番目〜249番目までの(つまり-249から-1)までの録画枚数と、信号が入ってからの250番目から500番(つまり0 - 250)までの振り分けた時間幅での撮影を行います。トリガポイントが真ん中の場合をセンタートリガと言います。
 トリガポイントを500枚目にセットすれば、トリガ信号が入った時点より時間的に遡って500枚までの画像を記録します。トリガポイントが最後の場合をエンドトリガと言います。 → 参考:高速度カメラ入門Q&A「ICメモリ方式ってどんな方式?」
 
【トリガ信号】
 トリガを入れる信号は、矩形波のパルスであることが多く、計測業界では、TTL(Transistor Transistor Logic)と呼ばれる電気信号を使っています。TTLはデジタル回路の規格の一種で、米国テキサスインスツルメンツ社が提唱して1990年代までデジタル回路の主流となっていたものです。パルス信号の電圧が5Vで、5Vの信号の時に情報が『1』 = High、0Vの時に情報が『0』= Low という約束があります。トリガ信号は、この『1』か『0』の論理信号をもとにしています。TTL信号を扱っていない現場では、例えば、12Vの電圧をトリガとして使いたい場合、そのままカメラに入れると壊れてしまいます。カメラの入力許容電圧にあった信号に変換させてやる必要があります。
 
 トリガ信号形態としては、このほかに機械的な接点、例えば、リレーの接点、ドアスイッチなどの接点、テープスイッチなどの接点、ペンダントスイッチなどの接点、フォトカプラー(フォトアイソレータ)などのトランジスタスイッチ(オープンコレクター出力)などがあります。これらの信号は接点によって回路が閉じる方式なので、このスイッチの端末をカメラのトリガ入力に直接接続して使うことができます。ただ、スイッチからカメラトリガ端子まで長い距離(20m以上)だとケーブルの電気抵抗やノイズのために正しく機能しないことがあります。
 最近の電子機器はコンピュータも含めて回路は、CMOSが圧倒的に多くなりました。MotionPro HSもCMOS回路で作られていてトリガ入力もCMOS対応になっています。このカメラは、CMOSの3.3Vの電圧で駆動しているので、トリガも正確には3.3Vのパルス信号を入れてやる必要があります。しかし、計測分野ではいまだにTTL信号がさかんに使われているので3.3VのCMOS回路によるトリガパルスは供給が難しいかもしれません。また、CMOSのデジタル信号をそのままTTLの回路に接続するのは、電圧が低いこととインピーダンスが合っていないためにうまく動作しません。逆にTTL信号をCMOS回路に入れてやる場合には、電圧の差1.7V分CMOSの電源側に負荷がかかるものの、たいていはうまく動作してくれます。 
▲ スタートトリガ、センタートリガ、エンドトリガ
 ICメモリタイプの高速度カメラは、記録できる時間が1秒から数秒と限られているため現象をタイミング良く撮影し記録する必要があります。有限のRAMメモリを有効に使うためにメモリへの録画を管理(例えば、録画開始とか録画終了などを管理)するのがトリガ(トリガ信号)で、そのトリガタイミングの種類によって大きく分けて、3つのモードがあります。それが、スタートトリガ、センタートリガ、エンドトリガと呼ばれるものです。スタートトリガは、トリガ信号が入ったと同時に撮影を開始するもので、センタートリガはトリガ入力した時点を中心としてその前後の画像を録画します。エンドトリガは、トリガを最後としてそれよりも前の時間タイミングの撮影を行うモードです。motionPro HSでは、1枚単位のトリガ設定が可能です。つまり、400枚の撮影枚数を録画枚数として設定し、トリガを20枚目に指定することが可能です。この時は、トリガが入った時点からさかのぼってその前19枚、トリガ時点を含めてトリガ後の381枚の撮影を行います。スタートトリガモード以外の撮影では、カメラはトリガ信号が入るまで録画を続け、古くなった画像に新しい画像を上書きしてトリガ信号を待ち続けます。 → 参考:高速度カメラ入門Q&A「ICメモリ方式ってどんな方式?」
▲ TTL信号(Transistor Transistor Logic signal)
 カメラでTTLというとThrough The Lensの略となり、レンズを通した測光方式の意味があるのですが、電気用語ではデジタル信号規格の一種で、Transistor Transistor Logic の略を意味します。簡単に言えば、0Vと5Vの信号の2種類で情報を送る方式です。1960年代、トランジスタの集積化が進みデジタル回路が台頭してきた時に、米国のトランジスタメーカのTI(テキサスインスツルメンツ)社がデジタル回路の規格化を進め、いろいろなロジック素子を作りました。ロジック素子の組み合わせて多様な電子回路が組上がり、とても重宝な規格だったので1970年代、1980年代はTTL回路全盛時代でした。この素子の詳しいことは、別のサイトのTTL(Transistor Transistor Logic)を参照して下さい。
▲ Cマウントレンズ(C - mount lenses)
計測用のビデオカメラではもっとも一般的なレンズマウント規格です。1インチ(25.4mm)径の穴に32山/インチのネジが切ってあります。インチ標記からわかるようにとても古い規格です。もともとは、16mmフィルムカメラのレンズマウントとして使われていました。1インチの撮像管ができてこれが産業用のテレビカメラ(ITV = Industrial TV と言った)に使われるようになり、16mmフィルムサイズのシネカメラ用のレンズが流用できたので産業用のテレビカメラで広く使われるようになりました。ビデオカメラができた後も産業用のレンズとして生き残っています。最近の産業用カメラの撮像素子はどんどん小さくなって、Cマウントレンズが大きく見えるようになって、小型化の試みがなされ、Cマウントを少し改造したCSマウント(フランジバックを短くしたもの)や、ソニーが小型カメラに採用しているNFマウント(φ17mm、P=0.75、フランジバック12mm)があります。 → 参考:高速度カメラ入門Q&A「なぜカメラにはたくさんのレンズマウントがあるの?」
▲ レンズ焦点距離(Lens Focal Length)
 レンズの性能表現をするものに、レンズ焦点距離、最大口径比(絞り)、レンズマウント、イメージサークルがありますが、一番大事な性能要素がレンズ焦点距離です。太陽光などの無限遠からきた平行光をレンズに通すと一点に集まる性質があり、レンズ厚の中心から焦点までの距離をレンズ焦点距離と言っています。単位は、mmで表されます。古くはインチで表されていて焦点距離1インチのレンズという言い方をしていました。カメラ用のレンズは、イギリスで発展を見ます(35mm一眼レフカメラのレンズ発展はドイツで行われ、戦後は日本です)。
 一般に、焦点距離の長いレンズは、遠くのものを引きつける力をもっていて望遠レンズとして使われ、焦点距離の短いものは近くのものを拡大して見る顕微鏡などに使われます。焦点距離の短いレンズの方が屈折力が高くて、比較的小さい口径でもたくさんの光を集めることができるので拡大撮影には好都合なのです。焦点距離が長くなると色収差が無視できなくなり、口径の大きなレンズの製作は、品質の良い光学ガラスが必要となり、その入手が困難で収差をとる設計もやっかいになります。焦点距離が長いレンズの口径比(絞り)が大きな値となって暗いのはそのためです。
 人間の視野角(約50度)に近い視野を提供してくれるレンズを標準レンズと言い、これを境に焦点距離の短いものを広角レンズ、長いものを望遠レンズと言っています。35mmライカサイズの一眼レフカメラでは、フィルムのイメージサイズが24mmx36mmでこのサイズに対して約50度の画角を持つものが標準レンズとされました。そのレンズの焦点距離がf50mmだったのです。2/3インチのCCDカメラでは、撮像素子が小さいですから、f12mmのレンズが標準レンズとなります。  → 参考:光と光の記録「レンズ」
▲ レンズ絞り、口径比 F値(Lens Aperture, F stop)
 レンズの光量を調節する機構で、ヒトの目の虹彩にあたります。
 光量を調整する機構を絞りと呼び、レンズの口径とレンズ焦点距離の比を口径比と言います。絞りを変えていってその都度の口径比を言い表す時の値をF値(絞り値)と呼んでいます。
 レンズの絞り機構は、光量の調節の他に、画質改善、すなわちピント範囲の調整を行います。レンズを絞ると、それだけピントの合う範囲が拡がります。正確には、フォーカス位置でのシャープなピントが甘くなる分ピント位置近傍の像ボケが改善されます。
 絞りの値のF4とかF8というのは、レンズ焦点距離に対してレンズの口径(有効直径)が1/4もしくは1/8であることを示しています。有効直径が半分になるというのは面積で1/4になりますから、絞りの値が倍になると有効直径が半分になり光量が1/4となります。従って、光量を2倍ずつ変化させる絞りの値は、√2の値にする必要があり、この理由から絞りは、
 
   F = 0.5、 0.7、 1.0、 1.4、 2、 2.8、 4、 5.6、 8、 11、 16、 22、 32、 45、 64
 
という値が取られます。絞りの最大は理論的に0.5です。F0.5のレンズは、光が入射すると90°に折れ曲がってレンズの中心に焦点を結びます。f50mmの焦点距離では口径が100mmとなります。そんなレンズがあるだろうか?と思ってしまいます。現実で一番明るいレンズはF0.95というものです。顕微鏡レンズではいちじるしく焦点距離を短くして理論値に近いものがあります。それどころか、レンズを屈折率の高い液体に浸してF0.5よりももっと光を集めるものもあります。  → 参考:光と光の記録「レンズ」
▲ 照度(Illuminance)
 光の度合いを数値で表すときにもっとも一般的に使われる明るさの値です。単位はルクス(Lux)で表されます。事務所の机の上がおおよそ500ルクスから1,000ルクス、屋外の晴れた昼間(夏)が80,000ルクスから120,000ルクス、プロ野球のナイターのマウンドが1,000ルクス、夜にくつろぐ居間が50〜100ルクスなど言うようにおおよその明るさをルクスという値で置き換えて相互の理解を得ています。
 物体は、自分で光を出して存在を外界に示すものと、光を受けてその陰影で外界に存在を示す2通りがあります。照度は、残念ながら自分で発光するもの(電球、液晶、ブラウン管面)に対してはこの値を使うことができません。自発光体は輝度とか光度という値で言い表しています。点光源のような小さな発光体には、光度という単位を取り、液晶面などの面状の発光体には輝度という単位を取ります。
 照度の学術的な定義は、一定の面積に入る光の束の割合で決まります(これを光束と言いISOで定義されています)。1m2に1ルーメンの光束が照射される場合、その照度を1ルクスと定義しています。例えば、真っ黒な被写体(どんな光をも吸収してしまう黒い物体)に光を当てて1,000ルクスの照度を得たとしても物体は真っ黒にしか見えません。100,000ルクスの光を当ててtもそれが完全黒体であるならば真っ黒にしか見えません。つまり、照度では物体の明るさの目安にはならないことを注意すべきです。あくまでも物体に当てる光の量の割合を言っているだけです。  → 参考:光と光の記録「光の単位について」
▲ 輝度(Luminance)
 照度の次によく使われる光の単位です。輝度は説明がとても難しい。輝度の単位は、cd/m2となっていて、この値から見る限り単位面積当たりの光度と考えてしまいがちです。しかし、輝度計で液晶の輝度を測って、液晶面の面積をかけてやると光度が求まるかというとそうでもありません。とんでもない値になります。実は、輝度の単位には、cd/m2・sr が正確な言い方でありsr(ステラジアン=立体角)という単位が隠れているのです。自発光物体は光が物体から出てくるので放射される立体角度も考慮に入れなければならないのです。
 輝度と照度を相互に乗り入れて使えたらどんなに便利だろうと思います。簡単な方法は、灰色の紙(約18%の反射を持つもの )もしくは手をかざして(手は18%の反射を持つと言われる。とても色の白い白人や黒い人でない限り)、その明るさと同様の明るさの面を持った自発光体を比べて同じような明るさであるなら、その輝度を照度として言い表すというやり方です。 → 参考:光と光の記録「光の単位について」
▲ 光エネルギー(W = ワット)
 光の単位の別の考え方です。光の単位は、一般的には照度(ルクス)が用いられますが、この単位を使う場合、白色光における光の値を言うことが多く、太陽光とか白熱電球などいろいろな光を放射している光源に対して言い表すことが通例でした。しかし、レーザとかLEDなどの単色光では照度という単位を用いるよりも、ワットというエネルギー単位を用います。照度では言い表し難いからです。
 注意しなければならないのは、白熱電球や蛍光灯の能力でワット表現が使われるのは消費電力です。一般生活では、電気の消費の方がはるかに関心が高く切実です。それに消費電力でだいたいの光の明るさが換算できるので電気の消費電力で言い表しているのです。白熱電球では、消費電力の10%程度が光に変わります。蛍光灯で25%程度です。
 レーザは、消費電力ではなくて、実際の光エネルギーを指し示しています。 → 参考:光と光の記録「光の単位について」
▲ DRAM(Dynamic Random Access Memory)
 コンピュータのRAMメモリとして広く知れ渡っているメモリの一種です。データを記録する方法にはいろいろありますが、DRAMは、最も高速にデータを読み書きできる特徴を持っています。しかし、このメモリは、電源がなくなるとデータが消えてしまう揮発性のメモリです。データを一定のレートで絶えず書き換えているため、電源がなくなるとデータ保存のためのエネルギーがなくなってしまい元もこも無くなります。DRAMは、磁気的に半永久的に情報を書き込むのではなく、電気を引きいれて電荷を保持して情報を保っていると考えるとわかりが良いかも知れません。DRAMでは、データを絶えずリフレッシュしています。これが、言ってみれば高速にアクセスできる秘訣です。
 他の記憶装置は、光エネルギーによって磁性特性を変える方法でデータを保存するCDやDVDがありますが、この方法はかなりの所要時間がかかります。650MBの情報を書き込むのに10分程度かかります。2GBの情報を1秒程度で取り込む高速度カメラにはとても使うことはできません。電気パルスを与えて磁性体を磁化させるハードディスクドライブやフロッピーディスクドライブ装置もそれほど高速にはデータを記録できません。
 というわけで、高速度カメラのICメモリ式の保存媒体は、ほとんどものがDRAMを使っています。
▲ イーサネット(Ethernnet)
 コンピュータ同士を電気的に接続して相互のデータ通信を行う方式です。エーテル(Ether)のようなネットワークという語源から来ています。エーテルは、光が伝搬する時に宇宙にあまねく拡がっていた物質と信じられていました(今はこの説は否定されています)。エーテルのようにコンピュータ情報を拡げていくという意味が込められています。データ通信は、RS232CとかGP-IB、SCSI、セントロニクスなどいろいろな方式が考え出され使われてきました。データ通信の進化の過程でイーサネットが生まれたと言えます。
 イーサネットのアイデアの根本は、ネットワーク通信です。この方式は、1973年にゼロックスのパロアルト研究所(PARC = Palo Alto Research Center)にいたボブ・メトカーフ(Robert Metcalfe)が開発しました。そもそもの研究の発端は、プリンタと接続する方式の考察をしていたときに考え出されたものです。当時、コンピュータ(アップルコンピュータの前身となるゼロックスのAlto)もプリンタも双方の処理速度は速くなっていて、プリントに時間がかかる原因が、二つのマシンをつなぐケーブルにありました。
 印刷するページの画像は、いったんコンピュータのメモリ上で組み立ててから、ビット単位でプリンタに転送しなければなりません。プリンタの解像度が 600dpi(ドット・パー・インチ = 解像度の単位で1インチ当たりのドット数を表す)の場合、ケーブルを経由して1ページあたり3,300万ビット以上のデータを送り出さなければなりません。当時のコンピュータは、1ページ分の画像を1秒間でメモリ上に展開でき、プリンタはそれを2秒でプリントできます。しかし当時は高速だと考えられていたシリアル転送を使っても、このデータを全て送り出すには15分近くかかったのです。
 メトカーフは、この通信方式に、電話の共同加入線(パーティライン = party line)を導入しました。パーティラインの共同加入者である隣人が善良な人間であれば、電話をかける前に受話器に耳を傾けます。イーサネットの装置も、これと同じ事をします。つまり、回線の様子をうかがって、他で転送が行われているようならばランダムに時間をあけてもう一度かけ直します。開発初期のイーサネットには、同軸ケーブルが使われ、一秒間に267万ビットのデータが転送できました。解像度600dpiで印刷する場合、15分かかっていた転送時間をイーサネットで12秒まで短縮できるようになったのです。
  2.67Mbps(メガビット・パー・セカンド)の転送速度を持つイーサネットは、当時、性能的に群を抜く製品でした。この性能のおかげで、コンピュータとプリンタをつなぐだけでなく、コンピュータ同士の接続もできるようになりました。彼らは自分たちのパソコン、Altoにプリンタ用のイーサネット機能が付いていることに着目して、このAlto をネットワークで接続しました。
 2.67Mbpsのイーサネットは頑丈で比較的単純な技術でした。これをPARCは10Mbpsまで速度を上げました。今、イーサネットは、10Mビット /秒から100Mビット/秒、そして1Gビット/秒になり、ネットワーク通信機能としてオフィスのいたる所に配線され、すべてのパソコンに標準装備されるという業界標準になっています。100mまで1本のケーブルで接続できるというのもイーサネットの大きな特徴です。
▲ USB(Universal Serial Bus)
コンピュータのお尻を覗くといろいろな端子がついています。モニタの端子、キーボートの端子などに混じって、外部の装置をつなぐ通信ポートも見られます。RS232Cで有名な、COMポート、プリンタに接続していたセントロニクスプリンタポート、電話とつなくモデムポート、ネットワークをつなぐイーサネット、デジカメなどをつなぐIEEE1394ポート、それにUSBポートです。このほかに、SCSIポートもついているパソコンがあります。外には出ていませんけど、パソコン内部ではIDEポートもあります。計測用ではGP-IBというポートもありました。随分たくさんの標準ポートがあるものです。これらは、コンピュータの進化、情報伝達方式の進化の中で生まれてきたものです。
 USBは、これらの通信規格の中でも比較的新しく、マウスやキーボードなど幅広い周辺機器を一つの通信ポート規格で統一したいということが開発の発端です。1996年1月に規格の大枠が発表され、1998年にver1.1がリリースされて、これをWindows98がサポートし急速に浸透しました。(windowsNTがこれをサポートしていなかったのは、意外と言えば意外でした。)
 USBは、従来のCOM(RS232C)の通信手段を改良して使い勝手をよくしたと考えてよいものです。マウスやキーボードの低速度の周辺機器から、CD、HDDなどの高速度データを扱う周辺機器までを統一のとれたコネクタでハブ(最大で5台)を介して127個まで接続を可能としています。さらに、コンピュータと周辺機器の電源が入ったままケーブルを抜き差しできるホットプラグ機能があり、500mW(4.4V最大、0.11A。最大消費電流は500mA)までの電源を周辺機器に供給する能力も持っています。ただ、ケーブルは5mまでしか延ばすことができません。通信速度が確保できなくなるのです。それ以上は、ハブを介しての延長となります。
 USB2.0は、より高速で安定する通信を目標に2000年4月に策定されました。USB2.0で決められた通信速度は、高速度モードで480Mbps、低速では、USB1.1と完全互換になるように設計されています。
 
 USBの転送モードは,
 ・アイソクロナス(Isochronous)
 ・インターラプト(Interrupt)
 ・バルク(Bulk)
 
の3種類の転送モードが用意されています。アイソクロナス転送は、映像や音声などリアルタイム性が要求される転送向けに使われます。インタラプト転送は、ジョイ・スティックのようにリアルタイム性が要求されるものの、データ量が少なく低速な周辺装置に適しています。バルク転送は、不定期に大量のデータ送信が発生するプリンターやモデムなどが使うモードで、アイソクロナスやインタラプト転送が行われていない時間に実行されます。
▲ UNC 1/4"-20 インチネジ
米国で今なお使われているインチ規格のネジ(ユニファイネジ)です。元々は英国でできた規格です。日本では、メートル規格ですべてものを作るように指導されているので、インチのネジはほとんど見かけません。ですが、ことカメラのネジに関しては連綿と生き残こり、今の時代でも、カメラネジは1/4-20UNCという米国のユニファイネジが採用されています。35mm一眼レフカメラもデジカメも、8mmビデオもお尻にはすべてこのネジが付いています。大きさはメートルネジのM6に近い形状をしています。
▲ PIV撮影(Particle Image Velocimetry)、ダブル露出モード (2007.03.04)(2007.06.20追記)
 PIV撮影は、流れの可視化研究分野で使われている撮影手法です。流れ場のベクトル成分を画像から求める場合に利用されます。
 PIV撮影は、2枚の画像を時間間隔を短くして撮影し、2枚の画像をペアとして両者の画像の変化によって変化分のデータを抽出しようと言うものです。普通、カメラによる撮影と言えば、30コマ/秒とか500コマ/秒とか時間間隔を一定にして撮影するのが常識ですが、PIV撮影に限っては、2枚の画像で1組とするため以下のような変則的な撮影がなされます。
なぜ、このような変則的な撮影が行われるかというと、相関法と呼ばれる画像処理では、流れのベクトル解析をしようとする場合、できるだけ時間間隔の短い2つの画像を取得して、両者から相互の変化を処理して、計測する画像エリアの時間経過による方向性を求めるためです。この時、両者の画像であまりにも動きが大きいと計測精度が上がらず、極端な場合、相関が取れないケースが出てきます。ですから、2枚の相互画像は、画像処理に耐えるだけの移動量(例えば、10ピクセルから30ピクセル程度)に抑える必要があります。こうした移動量を時間制御という形で実現するために、2枚をペアにして撮影するPIV撮影が開発されたのです。昔は、2枚を短い間隔で撮影できなかったので、1枚の画像の中に複数回の露光を行って多重露光画像によるPIV解析を行っていましたが、精度が出ませんでした。画像を二つに分けないと相関がとりにくいのです。一枚の画像から解析する手法を自己相関法によるPIV画像解析処理といい、2枚のペア画像で解析する手法を相互相関法と言います。自己相関よりも相互相関による流れの解析の方が処理が行いやすく精度が出ます。
 こうしたPIV撮影手法は、従来、低速度のデジタルCCDカメラがメインに使われていました。Kodakのメガプラス(現、Redlake Megaplus)ではこのようなPIV撮影機能があり、1秒間に数枚の割合でペアの画像を取り込んでいました。高速度カメラではそのような機能が無かったので4,500コマ/秒などで撮影して、撮影速度の時間間隔で計れる範囲での相関法による流れの解析を行っていました。昔の高速度カメラは、画質も悪かったので、精度の高い解析は、1,024x1,024画素、2,048x2,048画素で安定した画像が得られるメガプラスで行っていました。
【露出の問題】
 上の図では、短い時間間隔(Δt)でペアの画像が撮影できることを示しましたが、CCDカメラやCMOSカメラ単独では、電子シャッタ内蔵と言えども短い間隔で2枚の画像を短時間露光を行うことができません。下に示すタイミングが、CCDカメラやCMOSカメラを使った場合のPIV撮影モードのシャッタタイミングです。つまり、t1の画像は自らのシャッタで短時間露光ができますが、t2画像は電子シャッタが働かないのです。なぜこのようになってしまうのでしょう。これは撮像素子の画素の取り出す仕組みに理由があります。
 固体撮像素子の電子シャッタは、そもそも、受光部で発生する電荷を絶えずドレインに吐き出して受光部に電荷を蓄えないようにし、シャッタのタイミングでドレイン部への吐き出しを止めて蓄積を始めます。こうしたカメラシャッタの構造上、電子シャッタは、蓄えられた電荷を転送する直前に開かざるを得ないのです。必然的に、t2の露光は開けたままにしておかざるを得ず、電子シャッタは、t1で機能し、t2は機能しないという機構になってしまいます。PIV撮影モードにおいても、カメラ単体で希望する時間間隔で両方とも短時間露光を行うことが不可能なために、これを行うには外部のパルス光源や外部シャッタを使わざるを得ないことが理解できると思います。
 こうした理由から、PIV撮影では短時間発光の光源が使われたり、外部シャッタを使った撮影手法が取られます。光源としては、キセノンフラッシュ、YAGレーザ、銅蒸気レーザ、AOM装置をつけた固体グリーンレーザ、連続光源に液晶シャッタなどが使われます。光源の選定は、発光タイミング、発光時間、発光エネルギーをよく吟味して選びます。
 PIV撮影モードでは、カメラからカメラシャッタタイミングに同期したシャッタ信号が出力が出ますので、このシャッタ信号をパルス光源に渡して同期発光を行います。
 
MotionPro-Xを使ってPIV撮影を行うやり方は、以下のPDFファイルを参照下さい。
    PIV撮影法(2007.06.20改訂)
 
 
Motion Pro-Xを使ったPIV撮影の電気信号のフローチャート。
 
PIVモードでは、カメラは外部同期にし、露出モードを「Double」にします。
カメラの露出時間は第一露光のみ有効で、二番目の露光は、1/撮影速度 (= 画像転送速度)となり、1番目の露光に比べ長くなります。
(↑これはカメラの露出を行う電子シャッタ原理からきています。)
 
 

 

  

 ■ Redlake MASD社 MotionPro X ファミリーについて

  本サイトで扱う高速度カメラの特徴について簡単に紹介しておきます。
 
型名
Pro X3 
Pro-X4
Pro-X5
撮像素子タイプ
カラー/白黒
C-MOS固体撮像素子
いずれか選択(白黒素子の方が感度良好)
センサ画素サイズ
1280 x 1024 pixels
512 x 512 pixels
2,352 x 1,728 pixels
画素サイズ
12 um
16um
7um
記録濃度
8ビット白黒
or
24ビットカラー
10ビット白黒
or
30ビットカラー
ビンニング
1 x 1、2 x 2、3 x 3、4 x4
2x2は、4画素分を1画素とするモードで、
画素数は1/4倍になるが、多くの光量が得られるもの。
電子シャッタ
グローバルシャッタ
最小露出時間 1 us(マイクロ秒) 
最小100nsの露光が可能になりました!(2005.07.06)
100 ns〜1000 ms
撮影速度@フルサイズ
1,000 コマ/秒
5,145 コマ/秒
250 コマ/秒
最高撮影速度
64,000 コマ/秒
at 1280x16画素
143,300コマ/秒
at 64x16画素
16,000コマ/秒
at 2,352 x 16 画素
トリガ
・操作ソフトウェアのマウスクリック
・電気信号(BNCケーブル経由)
  3.3V CMOS(TTL信号入力可能)
- 立ち上がり、立ち下がり、接点信号
同期信号
電気信号(BNCケーブル経由):3.3V CMOS
通信ケーブル
USB 2.0、長さ 5m
オプションのリピータにより15mまで延長可能
もしくは、ギガイーサネット
搭載メモリ
2GB、4GB
いずれか指定
操作ソフトウェア
Motion Pro-X Studio
(カメラに付属)
操作ソフトウェア環境
Windows XP
Windows 2000
Mac OSX
レンズマウント
1型(インチ)タイプ "C"マウント
Nikon レンズもF-Cマウントアダプタにより可能
カメラ取付ネジ
カメラネジ
(UNC 1/4-20、UNC3/8-16)
複数台のカメラ操作
可能: USB Hub使用による
カメラ同期は、1台のカメラ(マスタ)からの同期信号でスレーブモード撮影。
撮影モード
インターナル: 操作ソフトウエアから撮影速度設定。
外部同期:外部信号に同期して撮影。
BROC(Burst Rec. On Command):外部信号に同期して指定枚数分撮影。
PIV用ダブルシャッタ相互相関解析処理用。2枚の画像を対として、予め設定した間隔でシャッタを起動させ時間間隔の狭い2画像を録画。最短シャッタ間隔:100ns。
画像保存ファイル
TIFF、BMP、JPEG、PNG、AVI、MPEGファイル
SDK
ユーザが独自に操作ソフトウエアを構築することが可能。
開発言語: LabView、MATLAB、MSVC++、VB
ネットワーク環境ソフトプラグイン 
Activ-X 
 PIV撮影モード(ダブル露光)
標準装備 
寸法
98.5mm x 98.55mm x 187mm
重量
約1.9kg
付属品
専用USB2.0ケーブル
AC/DC電源アダプタ
  Redlake社 MotionPro Xシリーズカメラ性能表 (2007.11.13更新)

 

 
これらのカメラの外観は、全く同じです。このシリーズのカメラは、性能上、大きくわけて2種類あり、種類によって白黒もしくはカラーのモデルが用意されています。さらに搭載するメモリサイズによりそれぞれ2種類のモデルがあります。HS-1は、2005年を持って製造を終了しました。 2006年からは、Motion Pro-X3(旧来のHS-3)とMotion Pro-X4(旧来のHS-4)の2シリーズとなりました。
 簡単に言うと、
低速で高画質なカメラがPro-X3で、高速で高画質なカメラがPro-X4
ということになります。
 Pro-X4は、撮像素子の画素が512x512画素しかありませんが、その分、高速撮影ができしかも1画素当たりのサイズが16umx16umと大きく、Pro-X3の画素に比べ面積比で1.78倍大きく作られています。画素サイズが大きいためたくさんの光を集めることができ、その分感度も高い事になります。また、5,000コマ/秒撮影時の画素が一番多いので、この近辺の撮影を主な目的とする撮影には最適です。
 逆にそれほど高い撮影速度が必要ない場合には、1280x1024画素の素子を持つPro-X3の方が高画質な画像が得られます。